「米粉でパイ生地って作れるの?」「グルテンフリーでもサクサクのパイが食べたい」そんな疑問や願いをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、米粉でもパイ生地を作ることは可能です。ただし、小麦粉のパイ生地とは作り方や仕上がりに違いがあり、いくつかのコツを押さえる必要があります。
小麦粉のパイ生地がサクサクに仕上がるのは、グルテンの働きによるもの。米粉にはグルテンが含まれないため、そのままでは同じ食感を出すのが難しいのが事実です。でも、配合や作り方を工夫すれば、小麦アレルギーの方やグルテンフリー生活を送る方でも美味しいパイを楽しむことができます。
- 米粉パイ生地の基本と小麦粉との違い
- サクサクに仕上げるための配合とコツ
- 失敗しないグルテンフリーパイ生地レシピ
- 市販の米粉パイ生地・ミックス粉の選び方
※アレルギーの程度には個人差があります。初めて試す材料は少量から確認し、不安な場合は主治医にご相談ください。
米粉でパイ生地は作れる?【結論と基礎知識】

米粉パイ生地は作れる!ただし工夫が必要
米粉でパイ生地を作ることは十分に可能です。実際に、グルテンフリーのパイやタルトを提供するお店も増えており、米粉パイ生地のレシピも数多く公開されています。ただし、小麦粉で作る従来のパイ生地とは、作り方も仕上がりの食感も異なります。小麦粉のパイ生地は、薄く伸ばした生地とバターの層が何層にも重なり、焼くとバターが溶けて水蒸気が発生し、生地を押し上げてサクサクの層を作ります。このプロセスにはグルテンの弾力性が欠かせません。米粉にはグルテンがないため、同じ方法では層が作りにくいのです。しかし、片栗粉やコーンスターチを加えたり、バターの量を調整したりすることで、サクサクとした食感に近づけることができます。
小麦パイ生地との違いを理解しよう
小麦粉のパイ生地と米粉のパイ生地には、いくつかの明確な違いがあります。まず、グルテンの有無による弾力性の違いです。小麦粉の生地は伸ばしても破れにくく、薄く均一に伸ばすことができます。一方、米粉の生地はグルテンがないため、薄く伸ばすと割れやすく、扱いに注意が必要です。食感の面では、小麦粉のパイは軽くてサクサク、層がはっきりしています。米粉のパイは、ほろほろとした砕けやすい食感になりやすく、層は小麦粉ほど明確には出ません。しかし、この「ほろほろ感」を好む方も多く、クッキー生地のようなタルト台として使う場合は米粉の方が適していることもあります。味わいの面では、米粉は小麦粉より甘みがあり、お米特有の風味が加わります。
| 特徴 | 小麦粉パイ生地 | 米粉パイ生地 |
|---|---|---|
| グルテン | あり | なし |
| 伸ばしやすさ | 薄く伸ばせる | 割れやすい |
| 食感 | サクサク・層あり | ほろほろ・砕けやすい |
| 風味 | 小麦の香り | お米の甘み |
グルテンフリーパイ生地が必要な人
グルテンフリーのパイ生地は、さまざまな方に必要とされています。まず、セリアック病の方は、グルテンを摂取すると小腸に炎症が起こるため、厳密なグルテンフリー食が必須です。小麦アレルギーの方も、小麦を含む食品を避ける必要があり、米粉パイ生地が代替として役立ちます。グルテン過敏症(グルテン不耐症)の方は、グルテンを摂ると腹部の不快感や疲労感を感じることがあり、グルテンフリー食で症状が改善することがあります。また、健康志向でグルテンフリー生活を選択している方や、お子さんの離乳食・幼児食として小麦を控えたい方にも、米粉パイ生地は選択肢の一つになります。家族にアレルギーの方がいる場合、家族みんなで同じパイを楽しめるのも米粉パイ生地のメリットです。
米粉パイ生地のメリット
米粉でパイ生地を作ることには、グルテンフリー以外にもいくつかのメリットがあります。第一に、米粉は油の吸収が少ないという特性があります。これにより、同じレシピでもカロリーを少し抑えることができます。第二に、米粉は小麦粉に比べてダマになりにくく、混ぜる作業が比較的簡単です。第三に、米粉のパイ生地は冷めても固くなりにくいという特徴があります。小麦粉のパイは冷めると湿気を吸ってしなっとすることがありますが、米粉のパイは比較的サクサク感が持続します。第四に、国産米を使った米粉を選べば、国内自給率の向上にも貢献できます。最後に、お米本来の自然な甘みがあるため、砂糖の量を控えめにしても美味しく仕上がることがあります。
米粉パイ生地に適した米粉の種類
米粉パイ生地を作る際は、使用する米粉の種類が仕上がりを大きく左右します。パイ生地には、製菓用の超微粒子米粉が最適です。粒子が細かいほど、バターとなじみやすく、滑らかな生地になります。熊本製粉の「お菓子をつくるお米の粉」や、共立食品の「米の粉」などがおすすめです。うるち米から作られた米粉が一般的ですが、もち米を一部ブレンドすると、しっとり感が増すこともあります。ただし、もち米の割合が多すぎると、もちもちしすぎてパイらしい食感から遠ざかるので注意が必要です。上新粉でも作れないことはありませんが、粒子が粗いため、ざらつきのある仕上がりになりやすいです。パイ生地を作る目的であれば、「製菓用」「パン用」と記載された微粒子の米粉を選びましょう。
米粉パイ生地をサクサクに仕上げるコツ

片栗粉・コーンスターチをブレンドする
米粉だけでパイ生地を作ると、どうしてもほろほろとした食感が強くなりがちです。サクサク感を出すためには、片栗粉やコーンスターチをブレンドするのが効果的です。片栗粉やコーンスターチは、加熱すると糊化して軽い食感を生み出します。米粉100gに対して、片栗粉やコーンスターチを20〜30g加えると、サクサク感が増します。配合の一例としては、米粉70g+片栗粉30gで軽い食感に、米粉80g+コーンスターチ20gでほどよいサクサク感になります。どちらを使うかは好みですが、片栗粉の方がよりサクッとした仕上がりに、コーンスターチの方が軽やかな食感になる傾向があります。ただし、入れすぎると生地がもろくなりすぎるので、まずは基本の配合から試してみてください。
バターは冷たいまま使う
サクサクのパイ生地を作る最大のコツは、バターを冷たい状態で生地に混ぜ込むことです。バターが溶けてしまうと、生地に均一に混ざってしまい、焼いたときにサクサクの層ができません。バターは使う直前まで冷蔵庫で冷やしておき、1cm角程度に切ってから手早く生地に混ぜます。フードプロセッサーを使う場合も、バターは冷たいまま入れてください。手で混ぜる場合は、体温でバターが溶けやすいので、時々手を冷水で冷やしながら作業するとよいでしょう。夏場は特にバターが溶けやすいので、作業を手早く行い、途中で生地がやわらかくなってきたら、一度冷蔵庫で休ませてから続きを作業するのがおすすめです。バターの代わりにココナッツオイルを使う場合も、冷やして固めた状態で使用します。
- 使う直前まで冷蔵庫で保管
- 作業台や道具も冷やしておく
- 手早く作業する(5分以内が目安)
- 生地がやわらかくなったら冷蔵庫で休ませる
生地を寝かせる時間を十分に取る
米粉パイ生地を作ったら、必ず冷蔵庫で寝かせる時間を取りましょう。最低でも30分、できれば1〜2時間は寝かせることをおすすめします。寝かせることで、米粉がしっかりと水分を吸収し、生地がまとまりやすくなります。また、冷えることでバターが再び固まり、生地全体が扱いやすくなります。急いでいるときは15分程度でも構いませんが、寝かせる時間が短いと生地が割れやすくなったり、焼き上がりがサクサクにならなかったりすることがあります。前日に生地を作って一晩冷蔵庫で寝かせておくと、翌日に成形・焼成ができて効率的です。冷凍保存も可能で、ラップでしっかり包んで冷凍すれば2週間程度保存できます。使うときは冷蔵庫で半日ほど解凍してから成形してください。
焼き温度と時間の調整
米粉パイ生地の焼き方は、小麦粉のパイ生地と少し異なります。米粉は小麦粉に比べて焼き色がつきにくいため、温度をやや高めに設定するのがポイントです。一般的には、200〜220℃で15〜20分程度焼きます。オーブンの機種によって温度の癖があるので、様子を見ながら調整してください。最初の10分は高温で焼いて生地を膨らませ、その後やや温度を下げて中まで火を通すという方法も効果的です。焼き色がつきすぎる場合は、途中でアルミホイルをかぶせてください。底がべたつく場合は、天板を2枚重ねて下からの熱を抑えるとよいでしょう。パイ皿で焼く場合は、あらかじめ皿を予熱しておくと、底がサクッと仕上がります。
フードプロセッサーを活用する
米粉パイ生地を作る際、フードプロセッサーを使うと非常に便利です。バターを手で切り混ぜる方法では、体温でバターが溶けやすく、作業に時間がかかることがあります。フードプロセッサーなら、冷たいバターを米粉に均一に混ぜ込むことが短時間でできます。使い方は、まず米粉と塩を入れて数回パルスし、次に冷たいバターを加えてさらに数回パルスします。バターが米粒大になったら、冷水を少しずつ加えながらパルスし、生地がまとまってきたら完了です。混ぜすぎるとグルテンのない米粉生地は逆にまとまりにくくなるので、パルス機能で短く混ぜるのがコツです。フードプロセッサーがない場合は、カード(スケッパー)を使ってバターを切り混ぜる方法でも作れます。
米粉パイ生地の基本レシピ【タルト・キッシュ用】
材料と分量(18cmタルト型1台分)
まずは基本的なタルト・キッシュ用の米粉パイ生地レシピをご紹介します。この配合は、サクサクとほろほろのバランスが良く、初心者でも作りやすいレシピです。材料は、製菓用米粉100g、片栗粉30g、塩ひとつまみ(約1g)、冷たいバター(無塩)60g、冷水大さじ2〜3、卵黄1個分です。卵黄を入れることで生地にコクが出て、まとまりやすくなります。卵アレルギーの方は、卵黄の代わりに冷水を大さじ1追加してください。バターの代わりにココナッツオイル(無臭タイプ推奨)を使えば、乳製品フリーの生地も作れます。ココナッツオイルを使う場合は、冷蔵庫で固めてから使用してください。
生地の作り方
では、具体的な手順を説明します。まず、米粉と片栗粉、塩をボウルに入れて泡立て器でよく混ぜ合わせます。次に、1cm角に切った冷たいバターを加え、カードや指先でバターを粉に押し付けるようにして切り混ぜます。バターが米粒大になったら、卵黄と冷水を加えます。最初は大さじ2の冷水を入れ、生地の様子を見ながら追加してください。生地がまとまり始めたら、こねすぎないように注意しながらひとまとめにします。ラップで包んで平らにし、冷蔵庫で最低1時間寝かせます。十分に冷えたら、打ち粉(米粉)をした台の上で3mm程度の厚さに伸ばします。米粉生地は割れやすいので、麺棒で少しずつ伸ばし、割れたら指で押さえて修正してください。
・水分が足りない可能性あり→冷水を小さじ1ずつ追加
・生地を伸ばすときはラップで挟むと割れにくい
・割れた部分は指で押さえてつなげればOK
・型に敷いてから冷蔵庫で再度冷やすと扱いやすくなる
型への敷き込み方
伸ばした生地をタルト型に敷き込みます。米粉生地は小麦粉生地より割れやすいので、麺棒に巻き付けて移動させるよりも、生地をラップごと持ち上げて型の上にのせる方法がおすすめです。型に生地をのせたら、型の底と側面に優しく押し付けていきます。角の部分は特に丁寧に密着させてください。余った生地は型の縁で切り落とすか、縁に沿って内側に折り込みます。敷き込んだら、フォークで底全体にピケ(穴あけ)をします。これにより、焼いているときに生地が膨らむのを防ぎます。敷き込んだ生地は、再度冷蔵庫で30分以上冷やしてから焼くと、形が崩れにくくなります。この冷やす工程を省くと、焼いたときに生地が縮んでしまうことがあります。
空焼き(ブラインドベイク)の方法
タルトやキッシュを作る場合、具材を入れる前に生地だけを先に焼く「空焼き」が必要です。空焼きをすることで、底がサクサクに仕上がり、具材の水分で生地がべちゃっとするのを防ぎます。冷やした生地の上にクッキングシートを敷き、重石(タルトストーン、または乾燥豆)をのせます。200℃に予熱したオーブンで15分焼き、重石とクッキングシートを外してさらに5〜10分焼きます。生地に軽く焼き色がついたら空焼き完了です。タルトストーンがない場合は、乾燥した小豆や大豆、お米などで代用できます。アルミホイルを敷いてから重石をのせると、取り出しやすくなります。空焼きした生地は、粗熱が取れてから具材を入れてください。
アレンジ:甘いパイ生地にする場合
アップルパイやフルーツタルトなど、甘いお菓子に使う場合は、砂糖を加えたパイ生地(パート・シュクレ風)にアレンジできます。基本のレシピに、粉糖30〜40gを追加します。粉糖はダマになりやすいので、米粉と一緒にふるってから使うとよいでしょう。砂糖を入れると生地が焼き色がつきやすくなるため、焼き時間を少し短めにするか、温度を10℃下げて様子を見てください。また、バニラエッセンスやアーモンドパウダーを加えると、より本格的な味わいになります。アーモンドパウダーを加える場合は、米粉を20g減らしてアーモンドパウダー20gを加えます。アーモンドパウダーを入れると、生地がサクサクとほろほろの中間のような食感になり、フルーツとの相性が抜群です。
失敗しない!米粉パイ生地のQ&A

Q. 生地がボロボロでまとまらないときは?
米粉パイ生地がボロボロでまとまらない原因は、主に水分不足です。米粉は小麦粉より水分を吸収しにくいため、レシピ通りの水分量でまとまらないことがあります。対処法としては、冷水を小さじ1ずつ追加してみてください。ただし、一度に大量の水を加えるとベタベタになってしまうので、少しずつ加えるのがポイントです。それでもまとまらない場合は、ラップで包んで冷蔵庫で30分ほど寝かせてみてください。米粉がゆっくり水分を吸収し、まとまりやすくなります。また、バターが溶けてしまっている可能性もあります。生地がやわらかすぎる場合は、一度冷蔵庫で冷やしてから再度まとめ直してください。湿度の高い日は、米粉自体が湿気を含んでいることがあり、逆に水分を減らす必要がある場合もあります。
Q. 焼いても中がべちゃっとするのはなぜ?
パイ生地の中がべちゃっとする原因はいくつか考えられます。まず、空焼きが不十分な可能性があります。空焼きの時間を長くし、生地にしっかり火を通してから具材を入れてください。次に、具材の水分が多すぎる場合があります。フルーツを使う場合は、水分を拭き取ってから並べるか、生地に溶き卵を薄く塗って防水層を作る方法があります。また、焼き温度が低すぎると、生地が十分に焼き固まらないことがあります。オーブンの温度が設定より低くなっていないか、オーブン用温度計で確認してみてください。キッシュのように卵液を流し込む場合は、卵液の量が多すぎないか確認し、焼き時間を十分に取ることが大切です。
空焼き後、熱いうちに溶き卵を薄く塗って1〜2分追加焼きすると、防水コーティングができます。この工程を加えるだけで、水分の多い具材を使っても底がサクサクに仕上がります。
Q. 米粉パイ生地は冷凍保存できる?
米粉パイ生地は冷凍保存が可能です。まとめた生地を平らにしてラップでしっかり包み、さらにジップロックなどの保存袋に入れて冷凍してください。保存期間は約2〜3週間が目安です。使うときは、冷蔵庫に移して半日〜一晩かけてゆっくり解凍します。電子レンジでの解凍は、バターが溶けてしまうのでおすすめできません。急いでいる場合は、室温に15分ほど置いてから作業を始めてください。また、型に敷き込んだ状態で冷凍することも可能です。この場合は、型ごとラップで包んで冷凍し、使うときは凍ったまま空焼きできます。凍った状態から焼く場合は、焼き時間を5分ほど長くしてください。一度解凍した生地の再冷凍は品質が落ちるので避けましょう。
Q. バターなしで作れる?ヴィーガン対応は?
バターを使わない米粉パイ生地も作ることができます。ヴィーガン対応やバターアレルギーの方には、ココナッツオイルがおすすめです。無臭タイプのココナッツオイルを使えば、ココナッツの風味を感じずに仕上がります。バターと同量のココナッツオイルを冷蔵庫で固めてから使用してください。オリーブオイルやサラダ油でも作れますが、液体の油を使う場合は、サクサク感が出にくく、しっとりとした食感になります。その場合は、油の量をバターの半量程度に減らし、生地がまとまる程度に調整します。マーガリンを使う方法もありますが、トランス脂肪酸を避けたい方はココナッツオイルの方が良いでしょう。卵も使わない場合は、冷水を少し多めにして生地をまとめてください。
Q. 米粉パイ生地に合うフィリングは?
米粉パイ生地は、甘い系・塩気系どちらのフィリングとも相性が良いです。甘い系では、カスタードクリームとフルーツの組み合わせが定番です。りんごのコンポート、いちご、ブルーベリー、バナナなどがよく合います。秋には栗やさつまいも、かぼちゃのフィリングもおすすめです。塩気系では、キッシュが人気です。ほうれん草とベーコン、サーモンとアスパラ、きのこと玉ねぎなど、好みの具材で作れます。また、ミートパイ風にひき肉とポテトのフィリングを入れても美味しいです。グルテンフリーのベシャメルソース(米粉で作ったホワイトソース)を使えば、グラタン風のパイも楽しめます。米粉のほんのりした甘みは、チーズとの相性も抜群です。
市販の米粉パイ生地・ミックス粉を活用する
市販の冷凍米粉パイシート
忙しい方や手作りが苦手な方には、市販の冷凍米粉パイシートが便利です。しかし、残念ながら2024年現在、スーパーで手軽に買える100%グルテンフリーの冷凍パイシートはまだ少ないのが現状です。一般的な冷凍パイシートは小麦粉が使われているため、グルテンフリーを求める方は注意が必要です。オンラインショップでは、グルテンフリー専門店がオリジナルの米粉パイシートを販売していることがあります。「小麦の奴隷」や「グルテンフリー田んぼのパン工房」などが、米粉を使ったパイ生地やタルト生地を販売していますので、チェックしてみてください。購入の際は、原材料表示で小麦が含まれていないことを必ず確認しましょう。
米粉タルトミックスを使う方法
タルト生地用の米粉ミックス粉も便利な選択肢です。熊本製粉の「グルテンフリータルトミックス」は、米粉と砂糖、ベーキングパウダーなどがあらかじめ配合されており、バターと卵を加えるだけで手軽にタルト生地が作れます。みたけ食品工業の「米粉のタルト生地ミックス」も人気があります。これらの製品は、配合が最適化されているため、初心者でも失敗しにくいのがメリットです。ただし、製品によってはコンタミネーション(小麦の混入)の可能性があるものもありますので、厳密なグルテンフリーが必要な方は、製造ラインの情報を確認するか、メーカーに問い合わせることをおすすめします。価格は200〜300gで400〜600円程度のものが多いです。
- 原材料:小麦、大麦、ライ麦が含まれていないか
- 製造ライン:「同一ラインで小麦を製造」の表示がないか
- 認証:グルテンフリー認証マークの有無
- 添加物:気になる添加物が入っていないか
おすすめの市販米粉製品
パイ生地作りにおすすめの米粉製品をいくつかご紹介します。熊本製粉の「お菓子をつくるお米の粉」シリーズは、超微粒子で扱いやすく、パイ生地にも適しています。価格は280gで約300円前後とリーズナブルです。波里の「お米の粉 お菓子・料理用」は、国産米100%で、グルテンフリー対応を明記している安心の製品です。280gで約350円程度。共立食品の「米の粉」は、1kgの大容量パックもあり、よく米粉を使う方におすすめです。また、製菓材料専門店のcotta(コッタ)やTOMIZ(富澤商店)では、パイ生地に適したグルテンフリーの米粉やミックス粉を取り扱っています。オンラインで手軽に購入でき、レシピも公開されているので参考になります。
グルテンフリー認証製品の選び方
厳密なグルテンフリーが必要な方は、グルテンフリー認証を取得した製品を選ぶと安心です。グルテンフリー認証には、国際的な基準として「グルテン含有量が20ppm以下」というものがあります。日本では、日本米粉協会による「ノングルテン米粉認証」があり、グルテン含有量1ppm以下という非常に厳しい基準を設けています。このマークがついた米粉は、製造ラインでの小麦のコンタミネーションも厳密に管理されています。セリアック病の方や、重度の小麦アレルギーの方は、このような認証製品を選ぶことをおすすめします。ただし、認証製品は価格がやや高めになる傾向があります。アレルギーの程度によっては、一般的なグルテンフリー表示の製品でも十分な場合もあるので、主治医と相談して判断してください。
コスパの良い米粉の買い方
米粉でパイ生地を作ると、小麦粉に比べてコストがかかることがあります。少しでもお得に購入するためのコツをご紹介します。まず、業務用サイズを購入する方法があります。1kgや2kgの大容量パックは、少量パックよりもグラムあたりの単価が安くなります。ただし、米粉は開封後の劣化が早いので、使い切れる量を考えて購入してください。次に、製菓材料専門店のセールを活用する方法があります。cotta やTOMIZでは、定期的にセールが行われており、通常より10〜20%安く購入できることがあります。また、道の駅や農産物直売所で地元産の米粉を見つけると、スーパーより安いことがあります。ふるさと納税の返礼品で米粉を選ぶのも一つの方法です。
米粉パイ生地で作るおすすめレシピ
グルテンフリーのアップルパイ
米粉パイ生地で作るアップルパイは、りんごの酸味と米粉のほんのりした甘みが絶妙にマッチします。フィリングは、りんご(紅玉がおすすめ)2個を薄切りにし、砂糖50g、シナモン小さじ1/2、レモン汁大さじ1と一緒に鍋で煮詰めます。りんごがしんなりして水分が飛んだら、冷ましておきます。基本の米粉パイ生地を2分割し、1つを型に敷き込んで空焼きします。冷めたフィリングを入れ、もう1つの生地を上からかぶせます。縁をフォークで押さえて閉じ、上に数か所切り込みを入れて蒸気抜きを作ります。200℃のオーブンで25〜30分焼いたら完成です。仕上げに粉砂糖を振ると見栄えがよくなります。
野菜たっぷりキッシュ
キッシュは米粉パイ生地との相性が抜群です。空焼きした米粉タルト生地に、炒めた野菜(ほうれん草、玉ねぎ、きのこなど)を敷き詰めます。卵液は、卵2個、生クリーム100ml、牛乳100ml、塩小さじ1/4、こしょう少々を混ぜ合わせます。生クリームの代わりに豆乳を使えば、よりあっさりとした仕上がりになります。卵液を流し入れ、お好みでピザ用チーズをのせます。180℃のオーブンで30〜35分、卵液が固まるまで焼きます。キッシュは焼きたてはもちろん、冷めても美味しいのでお弁当にもおすすめです。具材はベーコンとポテト、サーモンとディル、トマトとバジルなど、季節や好みでアレンジしてみてください。
ミニタルトで簡単デザート
小さなマフィン型やタルト型を使って作るミニタルトは、一人分ずつ出せて便利です。基本の米粉パイ生地を伸ばし、型より少し大きめの丸型に抜いて、型に敷き込みます。フォークでピケをし、180℃のオーブンで12〜15分空焼きします。冷めたら、好みのフィリングを入れます。簡単なのは、市販のカスタードクリームを絞り、季節のフルーツをトッピングする方法です。チョコレートガナッシュを流して固めれば、チョコタルトに。クリームチーズとレモンを混ぜたフィリングで、レアチーズタルトも作れます。ミニサイズなら食べ切りやすく、いろいろな種類を少しずつ作ってパーティーに出すのもおすすめです。
おもてなしにぴったりのタルトタタン風
タルトタタンは、キャラメリゼしたりんごを逆さまに焼くフランスの伝統的なお菓子です。米粉パイ生地でも美味しく作れます。まず、フライパンにバター30gと砂糖60gを入れて中火にかけ、キャラメル色になるまで加熱します。りんご(2〜3個)を4等分にして芯を除き、キャラメルの上に並べます。弱火で15〜20分、りんごがやわらかくなるまで煮ます。耐熱のスキレットや鋳物鍋を使うと、そのままオーブンに入れられて便利です。煮たりんごの上に、丸く伸ばした米粉パイ生地をかぶせ、縁を内側に折り込みます。200℃のオーブンで25〜30分焼き、粗熱が取れたら皿をかぶせて逆さまにして完成です。
塩味パイでおつまみにも
米粉パイ生地は、甘くないおつまみ系のレシピにも活用できます。基本の生地から砂糖を抜き、塩を少し多めにした生地を使います。生地を薄く伸ばし、粉チーズやハーブ(ローズマリー、タイム、バジルなど)を振りかけてから折りたたみ、もう一度伸ばします。好みの形にカットして、200℃のオーブンで10〜12分焼けば、チーズスティックの完成です。また、生地でソーセージを包んで焼けば、パイ包みソーセージに。ベーコンとブラックペッパーを巻き込んで、スティック状に焼いても美味しいです。これらは冷めてもサクサク感が残るので、ホームパーティーのおつまみやピクニックのお供にぴったりです。
まとめ
この記事では、米粉でパイ生地を作る方法について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
- 米粉でもパイ生地は作れる!ただし小麦粉とは特性が異なる
- 片栗粉やコーンスターチを加えるとサクサク感アップ
- バターは必ず冷たいまま使い、生地は十分に寝かせる
- 製菓用の超微粒子米粉を選ぶと仕上がりが良い
- 生地が割れても指で押さえて修正すればOK
- 空焼きをしっかりすることで、べちゃつきを防げる
- 冷凍保存も可能なので、まとめて作っておくと便利
米粉パイ生地は、小麦粉のパイ生地と全く同じようには作れませんが、コツをつかめば十分に美味しいパイが楽しめます。グルテンフリーの方も、小麦アレルギーの方も、そして単純に米粉の風味が好きな方も、ぜひ挑戦してみてください。
最初は生地が割れたり、思い通りの食感にならなかったりすることもあるかもしれません。でも、失敗も経験のうち。回数を重ねるごとにコツがつかめてきます。
完璧じゃなくていい。
あなたのキッチンで、米粉パイの世界を楽しんでみてください。
次は、お気に入りのフィリングを見つけて、オリジナルのパイ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。
※原材料や製造ラインの状況は商品ごとに異なり、変更される場合もあります。
※アレルギーの程度には個人差がありますので、必ずご自身で最新の成分表示を確認するか、主治医にご相談ください。

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