「米粉でシフォンケーキを作りたいけど、ふわふわに焼けるかな?」「小麦粉のシフォンケーキとどう違うの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。米粉のシフォンケーキは、グルテンフリーで小麦アレルギーの方でも安心して食べられる人気のスイーツです。
結論から言うと、米粉でもふわふわしっとりのシフォンケーキは作れます。しかも、米粉ならではのもちっとした食感と優しい甘みが加わり、小麦粉とはまた違った美味しさが楽しめます。この記事では、米粉シフォンケーキの基本レシピから、失敗しないコツ、よくある失敗の原因と対策、アレンジレシピまで詳しく解説します。
- 米粉シフォンケーキの特徴と小麦粉との違い
- ふわふわしっとりに仕上げる5つのコツ
- 失敗する原因(しぼむ・底上げ)と対策
- 基本のプレーンレシピと作り方
- 人気のアレンジレシピ(チョコ・抹茶・紅茶)
米粉シフォンケーキとは?小麦粉との違いを解説

まず最初に、米粉で作るシフォンケーキの特徴と、小麦粉で作る場合との違いについて解説します。米粉シフォンケーキならではの魅力を知ることで、より美味しく作れるようになります。
米粉シフォンケーキの特徴
米粉で作るシフォンケーキには、小麦粉で作るものとは異なる独特の魅力があります。
- しっとりもちもち:お米由来のでんぷんがもたらす、しっとりもちっとした食感
- ふわふわ軽い:メレンゲの力でふんわり軽い仕上がりに
- 優しい甘み:米粉特有の自然な甘みが感じられる
- グルテンフリー:小麦アレルギーの方でも安心して食べられる
- 消化が良い:グルテンを含まないため消化に優しい
米粉と小麦粉の比較
米粉と小麦粉でシフォンケーキを作った場合の違いを表にまとめました。
| 比較項目 | 米粉シフォン | 小麦粉シフォン |
|---|---|---|
| 食感 | しっとりもちもち | ふわっと軽い |
| 味わい | お米の優しい甘み | あっさり |
| グルテン | 含まない | 含む |
| 混ぜ方 | 混ぜすぎ注意 | さっくり混ぜる |
| 難易度 | やや難しい | 標準 |
なぜ米粉シフォンは難しいと言われるのか
米粉シフォンケーキが小麦粉より難しいと言われる理由は、主にグルテンがないことに起因します。
- 生地が安定しにくい:グルテンがないため、生地の構造が弱い
- メレンゲとのなじみが悪い:小麦粉より泡が消えやすい
- 膨らみを維持しにくい:焼き上がり後にしぼみやすい
- 吸水率が異なる:米粉の種類によって水分量の調整が必要
しかし、コツさえ押さえれば、米粉でも美味しいシフォンケーキは作れます。次の章で詳しく解説します。
米粉シフォンケーキがおすすめな人
米粉のシフォンケーキは、以下のような方に特におすすめです。
- 小麦アレルギーやグルテン不耐症の方
- グルテンフリー生活を始めたい方
- もちっとした食感が好きな方
- 消化に優しいスイーツを探している方
- お米の風味を活かしたお菓子を作りたい方
米粉シフォンケーキをふわふわに仕上げる5つのコツ
米粉シフォンケーキを成功させるには、いくつかのコツがあります。このコツを押さえれば、失敗知らずのふわふわしっとりシフォンケーキが作れます。
コツ1:製菓用の米粉を選ぶ
シフォンケーキには、製菓用の「微細米粉」を使うのがおすすめです。粒が細かくダマになりにくいため、口当たりがなめらかに仕上がります。
- 製菓用米粉
- 微細米粉
- 共立食品「米の粉」
- 波里「お米の粉」
- パン用米粉(粒子が大きい)
- 小麦グルテン添加米粉
- 上新粉(粒子が粗い)
パン用米粉は製菓用よりも粒子が大きく、小麦グルテンが添加されていたり小麦粉とブレンドされていたりすることがあります。グルテンフリーを目指す場合は必ず成分表示を確認しましょう。
コツ2:しっかりしたメレンゲを作る
シフォンケーキの成功はメレンゲにかかっていると言っても過言ではありません。米粉はグルテンがないため、メレンゲの力だけで生地を支える必要があります。
メレンゲ作りのポイント
- ボウルに油分や水分が残っていないことを確認(泡立たない原因に)
- 砂糖は3回に分けて加える(きめ細かいメレンゲになる)
- ツノが少し曲がる程度のやわらかさが理想
- 最後は低速で20秒ほど混ぜてキメを整える
・泡立て不足:生地が膨らまない、焼き縮みの原因に
・泡立てすぎ:気泡が大きくなり不均一に
・理想的な状態:ツヤがあり、ツノが少しお辞儀する程度
コツ3:卵のサイズを揃える
シフォンケーキでは卵のサイズが重要です。卵はM玉で殻つき60g程度のものを使用し、4個で240g前後に揃えましょう。
- 小さい卵の場合:膨らみが悪くなる
- 大きい卵の場合:空洞ができやすい
コツ4:生地の混ぜ方に注意する
米粉はグルテンがないため、小麦粉の生地よりもメレンゲとのなじみが悪いです。混ぜ方を間違えると、焼成時に部分的に膨らんだり沈んだりしてしまいます。
- 卵黄生地にメレンゲの1/3を加える:泡立て器でダマがなくなるまで混ぜる
- 残りのメレンゲを加える:ゴムベラで底からすくうように混ぜる
- 混ぜすぎない:メレンゲの泡が消えて膨らまなくなる
- 混ぜ不足も注意:ムラがあると焼きムラの原因に
コツ5:型の選び方と使い方
シフォンケーキは型に生地が張り付くことでふくらみを維持します。そのため、型選びも重要です。
- アルミ製がおすすめ:熱伝導が良く、生地がしっかり張り付く
- 継ぎ目なしタイプ:生地が均一に焼ける
- テフロン加工はNG:生地がくっつかず膨らまない
- 型に油を塗らない:生地が滑って膨らまなくなる
【17cm型】3〜4人用、卵4個使用、初心者におすすめ
【20cm型】5〜6人用、卵6個使用、パーティー向け
【素材】アルミ製・継ぎ目なし・底取れタイプが最適
米粉シフォンケーキが失敗する原因と対策

「レシピ通りに作ったのに失敗した…」という方のために、よくある失敗の原因と対策を詳しく解説します。
失敗1:しぼんでしまう(焼き縮み)
シフォンケーキが焼き上がった後にしぼんでしまう原因は主に以下の3つです。
- 焼き時間が足りない:中が焼けていないと水分の重みで沈む→焼き時間を延長
- 冷まし方が悪い:そのまま置くと自重で沈む→必ず逆さにして冷ます
- 蒸気抜きをしていない:型を落として蒸気を抜く→焼き上がり直後に10〜15cm落とす
失敗2:底上げする
型の底に空洞ができる「底上げ」は、シフォンケーキでよくある失敗です。
- メレンゲが不十分:しっかり泡立てる
- 生地が均一に混ざっていない:丁寧に混ぜ合わせる
- オーブンの温度が低い:予熱をしっかり行う
- 型に油を塗った:油を塗らずに使用する
失敗3:膨らまない
シフォンケーキが十分に膨らまない原因はほとんどの場合、メレンゲの泡立てが足りていないことです。
- メレンゲをしっかり泡立てる
- 卵白に油分・水分が入らないようにする
- 砂糖は3回に分けて加える
- 生地を混ぜすぎてメレンゲを潰さない
失敗4:大きく割れる
表面が大きく割れてしまう場合は、以下の原因が考えられます。
- オーブンの温度が高すぎる:170℃前後が目安
- 生地が多すぎる:型の6〜7分目までにする
なお、シフォンケーキは少し割れるのは正常です。あまりにも大きく割れる場合のみ、温度を調整しましょう。
失敗した場合のリメイク方法
失敗してしまったシフォンケーキも、工夫次第で美味しく食べられます。
・トライフル:角切りにしてフルーツやクリームと層にする
・ラスク:薄切りにしてオーブンでカリカリに焼く
・フレンチトースト風:卵液に浸してフライパンで焼く
・パフェ:砕いてアイスクリームのトッピングに
基本の米粉シフォンケーキレシピ(17cm型)
ここからは、実際に米粉シフォンケーキを作るレシピを紹介します。まずは基本のプレーンシフォンケーキから解説します。
基本の材料(17cm型1台分)
【卵黄生地】
- 卵黄:4個分(約80g)
- グラニュー糖:30g
- 米油(またはサラダ油):40g
- 水(または牛乳・豆乳):60g
- 製菓用米粉:80g
- バニラオイル:数滴(お好みで)
【メレンゲ】
- 卵白:4個分(約140g)
- グラニュー糖:50g
作り方
【準備】
- オーブンを170℃に予熱する
- 卵は冷蔵庫から出したてを使う(卵白は冷えている方が泡立ちやすい)
- 卵黄と卵白は別々のボウルに分ける
【Step 1】卵黄生地を作る
ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜます。米油を少しずつ加えながら混ぜ、水も同様に加えて混ぜます。
【Step 2】米粉を加える
米粉をふるい入れ、泡立て器でダマがなくなるまで混ぜます。米粉はグルテンがないので、混ぜすぎを心配する必要はありません。なめらかになるまでしっかり混ぜてOKです。
【Step 3】メレンゲを作る
別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーで泡立てます。白っぽくなったら、グラニュー糖を3回に分けて加えながら泡立て、ツヤがあり、ツノが少し曲がる程度のメレンゲを作ります。最後は低速で20秒ほど混ぜてキメを整えます。
【Step 4】生地を合わせる
卵黄生地にメレンゲの1/3を加え、泡立て器でダマがなくなるまで混ぜます。残りのメレンゲを2回に分けて加え、ゴムベラで底からすくうように、メレンゲの筋が見えなくなるまで優しく混ぜます。
【Step 5】型に流し込む
シフォン型に生地を流し入れ、型を軽くトントンと落として大きな気泡を抜きます。表面を平らに整えます。
【Step 6】焼く
170℃のオーブンで30〜35分焼きます。竹串を刺して生地がついてこなければ焼き上がりです。
【Step 7】冷ます
焼き上がったら型を10〜15cmの高さから落として蒸気を抜き、すぐに逆さにして冷まします。完全に冷めるまで(2〜3時間)そのまま置いておきます。
【Step 8】型から外す
パレットナイフを型と生地の間に差し込み、ぐるりと一周させて外します。中央の筒部分も同様に外し、底を外して完成です。
焼き時間の目安
| 型のサイズ | 温度 | 焼き時間 |
|---|---|---|
| 17cm | 170℃ | 30〜35分 |
| 20cm | 170℃ | 40〜45分 |
| 紙カップ(小) | 170℃ | 15〜20分 |
型のサイズ別ガイド
シフォンケーキの型は様々なサイズがあります。用途や人数に合わせて最適なサイズを選びましょう。
17cm型(初心者向け)
最も一般的なサイズで、初心者におすすめです。卵4個を使用し、3〜4人で食べるのにちょうど良い量です。
- 適した人数:3〜4人
- 卵の量:4個
- 米粉の量:80g
- 焼き時間:30〜35分
- おすすめシーン:普段のおやつ、少人数のティータイム
20cm型(大人数向け)
パーティーや大人数での集まりに最適な大きめサイズです。卵6個を使用し、見栄えも華やかになります。
- 適した人数:5〜6人
- 卵の量:6個
- 米粉の量:120g
- 焼き時間:40〜45分
- おすすめシーン:誕生日パーティー、ホームパーティー
紙カップ型(手土産向け)
小分けにできる紙カップ型は、プレゼントや手土産にぴったりです。個包装できるので持ち運びにも便利です。
- 適した人数:1人1個
- 基本の生地:17cm型の分量で6〜8個分
- 焼き時間:15〜20分
- おすすめシーン:手土産、プレゼント、バザー
型のサイズを変更する場合は、すべての材料を同じ割合で増減させましょう。20cm型は17cm型の約1.5倍の材料が必要です。焼き時間も型が大きいほど長くなるので注意してください。
卵の扱い方のコツ
シフォンケーキ成功の鍵を握る卵の扱い方について、詳しく解説します。
卵黄と卵白の分け方
卵黄と卵白をきれいに分けることは、シフォンケーキ作りの基本中の基本です。卵白に卵黄が少しでも混ざると、メレンゲがうまく泡立たなくなってしまいます。
- 冷えた卵を使う:冷蔵庫から出したての卵は卵黄が固く、分けやすい
- 殻の縁を使う:卵を半分に割り、殻の間で卵黄を行き来させて分ける
- ペットボトル法:卵白の中から卵黄をペットボトルで吸い取る方法も便利
- 専用セパレーター:100均でも購入できる卵黄セパレーターを使う
卵白の扱いで気をつけること
- 清潔なボウルを使う
- ボウルに水気や油気がない
- 卵黄が混入していない
- 冷えた状態で泡立てる
- ボウルに油分が残っている
- 卵黄が少しでも混入している
- プラスチックボウルの油膜
- 傷んだ卵を使用する
卵のサイズと計量
シフォンケーキでは卵のサイズを揃えることが重要です。以下の表を参考に、正確に計量しましょう。
| 卵のサイズ | 殻付き重量 | 卵黄(約) | 卵白(約) |
|---|---|---|---|
| S | 46〜52g | 16g | 25g |
| M(推奨) | 58〜64g | 20g | 35g |
| L | 64〜70g | 20g | 40g |
M玉4個で卵黄約80g、卵白約140gが目安です。レシピの分量と大きくずれる場合は、個数を調整するか計量して使いましょう。
人気のアレンジレシピ

基本のプレーンシフォンをマスターしたら、様々なフレーバーにアレンジしてみましょう。
チョコレートシフォンケーキ
ココアパウダーを加えたチョコレート風味のシフォンケーキは、子どもから大人まで人気のフレーバーです。
- 米粉:70g(10g減らす)
- ココアパウダー:15g(米粉と一緒にふるう)
- 水:70g(10g増やす)
ココアパウダーは水分を吸収するので、水を少し増やすのがポイントです。米粉とココアパウダーは一緒にふるっておきましょう。
抹茶シフォンケーキ
抹茶の香りが上品な和風シフォンケーキです。グルテンフリーで抹茶スイーツを楽しめます。
- 米粉:75g(5g減らす)
- 抹茶パウダー:8g(米粉と一緒にふるう)
抹茶は少量でも色と香りがしっかり出ます。ダマになりやすいので、必ずふるってから使いましょう。
紅茶シフォンケーキ
アールグレイなどの紅茶を使った香り高いシフォンケーキです。
- 紅茶ティーバッグ:2袋分(茶葉を取り出す)
- 水:牛乳60gに変更(紅茶の香りが引き立つ)
茶葉を細かく刻むか、ミルで砕いてから加えると、口当たりが良くなります。
バナナシフォンケーキ
完熟バナナを使った、自然な甘みが楽しめるシフォンケーキです。
- 完熟バナナ:1本(約100g、つぶしてペースト状に)
- 水:40g(20g減らす)
- グラニュー糖(卵黄生地):20g(10g減らす)
バナナは完熟のものを使うと、甘みが強くしっとり仕上がります。卵黄生地にバナナペーストを加えて混ぜます。
季節のアレンジレシピ
季節のフルーツや素材を使ったアレンジレシピを紹介します。旬の素材を使うことで、より美味しいシフォンケーキが楽しめます。
春:桜シフォンケーキ
桜の塩漬けを使った、春らしい華やかなシフォンケーキです。
- 桜の塩漬け:15g(塩抜きして刻む)
- 桜リキュール:大さじ1(水を同量減らす)
- 食紅:ほんの少量(ピンク色に)
桜の塩漬けは水に30分ほど浸けて塩抜きし、キッチンペーパーで水気を拭いてから刻みます。トッピングに塩漬けの花を飾ると華やかです。
夏:レモンシフォンケーキ
さっぱりとしたレモン風味は、暑い夏にぴったりの爽やかなシフォンケーキです。
- レモン果汁:大さじ2(水を同量減らす)
- レモンの皮:1個分(すりおろす)
国産の無農薬レモンを使うと、皮も安心して使えます。レモングレーズをかけて仕上げても美味しいです。
秋:かぼちゃシフォンケーキ
秋の味覚かぼちゃを使った、ほっこり優しい味わいのシフォンケーキです。
- かぼちゃペースト:80g(加熱して裏ごし)
- 水:40g(40g減らす)
- シナモン:小さじ1/4(お好みで)
かぼちゃは皮をむいて加熱し、熱いうちに裏ごしして滑らかなペースト状にします。卵黄生地に加えて混ぜます。
冬:ゆずシフォンケーキ
冬の柑橘ゆずを使った、香り高いシフォンケーキです。
- ゆず果汁:大さじ2(水を同量減らす)
- ゆずの皮:1個分(すりおろす)
ゆずの香りは加熱すると飛びやすいので、皮のすりおろしをたっぷり加えるのがポイントです。
デコレーションアイデア
焼き上がったシフォンケーキを、さらに美味しく華やかに見せるデコレーションアイデアを紹介します。
シンプルに粉糖をかける
最もシンプルなデコレーションです。茶こしで粉糖を軽くふりかけるだけで、見た目がぐっと華やかになります。割れ目の部分に粉糖が入ると、コントラストが美しく仕上がります。
生クリームでデコレーション
シフォンケーキに生クリームは王道の組み合わせです。グルテンフリーにするなら、植物性のホイップクリームも選択肢に入れましょう。
- 周りに塗る:全体に薄く塗ってシンプルに
- 穴に詰める:中央の穴にクリームを詰めて華やかに
- 絞り出す:口金を使って表面にデコレーション
フルーツを添える
季節のフルーツを添えると、彩りが良くなり栄養価もアップします。
・春:いちご、キウイ
・夏:ブルーベリー、ラズベリー、マンゴー
・秋:ぶどう、いちじく、洋梨
・冬:みかん、いちご、りんご
ソースをかける
チョコレートソースやキャラメルソース、フルーツソースをかけると、味わいに変化が生まれます。
- チョコレートソース:チョコ好きにおすすめ
- キャラメルソース:コーヒーと相性抜群
- ベリーソース:甘酸っぱさがアクセント
- メープルシロップ:自然な甘みでヘルシー
ノンオイルシフォンケーキの作り方
油を使わないヘルシーなシフォンケーキも人気です。25年以上教室で教え続けられているノンオイルシフォンケーキのレシピを紹介します。
ノンオイルの特徴
油の代わりに水を使うことで、カロリーを抑えながらもしっとりふわふわに仕上がります。製菓用米粉で作ると、驚くほどしっとり、ふわふわ、柔らかくできます。
ノンオイルシフォンの材料(17cm型)
- 卵黄:4個分
- グラニュー糖:30g
- 水:80g(油の代わり)
- 製菓用米粉:80g
- 卵白:4個分
- グラニュー糖(メレンゲ用):50g
作り方は基本のレシピと同じです。油を使わない分、水を増やしてしっとり感を出します。牛乳や豆乳でも代用できますが、水が一番パサつきにくいとされています。
米粉シフォンケーキの保存方法

焼き上がったシフォンケーキの保存方法を紹介します。
保存方法
- ラップで包み乾燥を防ぐ
- 保存期間:2〜3日
- 夏場は冷蔵保存推奨
- カットしてラップで包む
- 保存袋に入れて冷凍
- 保存期間:2〜3週間
美味しく食べるコツ
- 常温:そのままでふわふわを楽しむ
- 冷蔵:しっとり感が増す、ひんやり美味しい
- 解凍:自然解凍か電子レンジで軽く温める
米粉シフォンケーキに関するよくある質問
米粉シフォンケーキについて、よく寄せられる質問にお答えします。
Q:米粉の種類で仕上がりは変わりますか?
A:米粉の種類によって仕上がりは大きく変わります。製菓用の微細米粉を使うのがおすすめです。パン用米粉は粒子が大きく、失敗の原因になることがあります。
Q:オーブンの温度はどのくらいがベストですか?
A:170℃前後がベストです。温度が高すぎると大きく割れやすく、低すぎるとしぼみやすくなります。オーブンによって温度差があるので、様子を見ながら調整してください。
Q:卵は冷たいまま使っていいですか?
A:卵白は冷えている方が泡立ちやすいので、冷蔵庫から出したてで大丈夫です。卵黄は常温の方が他の材料となじみやすいですが、冷たくても問題ありません。
Q:紙型でも焼けますか?
A:紙型でも焼けます。紙型の場合は生地がしっかり張り付くので、ふくらみを維持しやすいです。焼き時間は型のサイズに合わせて調整してください。
Q:卵なしで作れますか?
A:豆乳メレンゲを使えば卵なしでも作れます。大豆固形分の多い無調整豆乳にレモン汁を加えて泡立てることで、卵白の代わりになります。ただし、卵を使ったものより難易度は高くなります。
Q:翌日にしっとり感がなくなるのはなぜ?
A:米粉は乾燥しやすいため、保存時はしっかりラップで包んで乾燥を防ぎましょう。冷蔵保存すると逆にしっとり感が増すこともあります。
Q:牛乳や豆乳で作ると仕上がりは変わりますか?
A:水の代わりに牛乳や豆乳を使うと、コクが増してリッチな味わいになります。ただし、牛乳アレルギーの方は水か植物性ミルク(アーモンドミルク、オーツミルクなど)を使いましょう。豆乳は無調整タイプがおすすめです。
Q:砂糖を減らしても大丈夫ですか?
A:砂糖は甘さだけでなく、メレンゲの安定性や生地のしっとり感にも関係しています。大幅に減らすと膨らみにくくなったり、パサつく原因になります。減らす場合は1〜2割程度にとどめましょう。
Q:型から外すタイミングはいつがベストですか?
A:完全に冷めてから外すのがベストです。焼き上がり後、逆さにして最低2〜3時間、できれば一晩置いてから外すと、形が安定してきれいに仕上がります。温かいうちに外すとしぼみの原因になります。
Q:メレンゲをハンドミキサーなしで作れますか?
A:泡立て器でも作れますが、時間と労力がかかります。15〜20分ほど根気よく泡立てる必要があります。腕が疲れるので、ハンドミキサーがあると便利です。100均でも売っている電動の泡立て器でも代用可能です。
Q:オーブンがない場合、他の方法で焼けますか?
A:フライパンや炊飯器で作る方法もありますが、本格的なシフォンケーキの形や食感を再現するのは難しいです。シフォンケーキ本来の軽い食感を楽しむなら、オーブンで焼くのがおすすめです。
アレルギー対応のシフォンケーキ
米粉シフォンケーキはグルテンフリーですが、さらに他のアレルギーにも対応したレシピのコツを紹介します。
乳製品不使用(乳アレルギー対応)
牛乳の代わりに以下の植物性ミルクを使用できます。
- 豆乳:コクがあり最もおすすめ(無調整タイプ)
- アーモンドミルク:軽い仕上がりに
- オーツミルク:まろやかな甘み
- ライスミルク:お米の風味が増す
- 水:最もあっさりした仕上がり
油は米油やなたね油など植物油を使えば、乳製品を完全に除去できます。
卵アレルギー対応
卵アレルギーの方向けには、豆乳メレンゲを使う方法があります。ただし、難易度が高く失敗しやすいため、まずは通常のレシピでコツをつかんでからチャレンジすることをおすすめします。
アレルギー対応のお菓子作りでは、製造ラインの共有による微量混入(コンタミネーション)にも注意が必要です。重度のアレルギーがある場合は、原材料の製造過程も確認しましょう。
シフォンケーキの歴史
シフォンケーキの歴史を知ると、このお菓子の魅力がより深くわかります。
シフォンケーキの誕生
シフォンケーキは1927年、アメリカ・カリフォルニア州のハリー・ベーカーという料理人によって考案されました。「シフォン」という名前は、絹のように軽くてふわふわな食感から付けられています。
ベーカーは約20年間レシピを秘密にしていましたが、1947年にゼネラル・ミルズ社にレシピを売却。これによりシフォンケーキは世界中に広まりました。
日本での人気
日本では1980年代以降にシフォンケーキが人気を集め始めました。日本人の好みに合わせて、抹茶や紅茶、季節のフルーツを使ったアレンジレシピが数多く生まれています。
近年はグルテンフリーの需要の高まりとともに、米粉で作るシフォンケーキも注目されています。小麦アレルギーの方でも楽しめること、お米ならではのしっとりもちもち食感が人気の理由です。
米粉シフォンケーキ作りに役立つ道具
シフォンケーキを上手に作るために、揃えておきたい道具を紹介します。
必須アイテム
- シフォン型:アルミ製・継ぎ目なしがおすすめ
- ハンドミキサー:メレンゲ作りに必須
- ボウル:大きめのもの2〜3個(ステンレスかガラス製)
- ゴムベラ:生地を混ぜる・型に入れる
- 泡立て器:卵黄生地を混ぜる
- 粉ふるい:米粉をふるう
あると便利なアイテム
- デジタルスケール:材料を正確に計量
- パレットナイフ:型から外すときに使う
- 竹串:焼き上がりの確認
- オーブン温度計:オーブンの温度を正確に把握
- ケーキクーラー:逆さにして冷ますときに使う
まとめ:米粉シフォンケーキを成功させるポイント
米粉シフォンケーキを成功させるためのポイントをまとめます。
- 米粉選び:製菓用の微細米粉を使用
- メレンゲ:しっかり泡立てて、ツノが少し曲がる程度に
- 卵のサイズ:M玉で揃える(4個で240g程度)
- 混ぜ方:メレンゲを潰さないように優しく
- 型:アルミ製・継ぎ目なし・油を塗らない
- 冷まし方:必ず逆さにして完全に冷ます
米粉のシフォンケーキは、グルテンフリーで小麦アレルギーの方でも安心して食べられます。しっとりもちもちの新食感は、一度食べたらやみつきになる美味しさです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、コツを押さえれば必ず成功します。ぜひチャレンジして、米粉シフォンケーキの魅力を体験してみてください。

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