「ビールが大好きだったのに、グルテンフリー生活を始めてから一度も飲んでいない」
「飲み会で、自分だけがウーロン茶を飲んでいる時の、あの疎外感」
「乾杯の時、みんなと同じようにビールジョッキを掲げたい」
そんな方に、今、お伝えしたいことがあります。グルテンフリーでも、ビールが飲めます。
私自身、グルテンフリーの情報を発信する中で、多くの方から「お酒が飲めないのが一番つらい」「ビールの代わりになるものはないか」という切実な声を聞いてきました。特にビールは、日本人にとって最も身近なアルコール飲料。仕事終わりの一杯、週末のバーベキュー、友人との飲み会、夏祭りの屋台――そのすべてで、グルテンフリーの方は選択肢から外れてしまうのが現実でした。
しかし、2025年現在、日本でも完全グルテンフリーのビールが複数のブランドから登場し、選択肢が広がりつつあります。三重県桑名市のRICE HACKが製造する「ORYVIA(オリビア)」、和歌山市のORYZAE BREWINGが世界初の技術で作る「米麹ビール」、そして海外からの輸入品まで、日本のグルテンフリービール市場は、今、大きく動いています。
この記事では、なぜ通常のビールが飲めないのか、セリアック病とグルテンの科学的な関係、グルテンフリービールの歴史、2つの製法の違い、日本と海外のおすすめ銘柄、そして選び方まで、15,000文字以上にわたって徹底的に解説します。
グルテンフリーの方が、安心して楽しめるビールの世界へ、ようこそ。
なぜビールは「グルテンフリーの人が飲めない飲み物」なのか
まず、基本的なことから確認していきましょう。なぜ、ビールはグルテンフリーの方にとって「禁断の飲み物」だったのでしょうか。
ビールの主原料は「大麦麦芽(モルト)」
ビールの主な原料は、以下の4つです。
- 大麦麦芽(モルト) – ビールの骨格を作る主原料
- ホップ – 苦味と香りを与える
- 酵母 – アルコール発酵を行う
- 水 – ビールの90%以上を占める
この中で、大麦麦芽(モルト)が、グルテンの供給源です。
大麦は、小麦・ライ麦・オーツ麦と並ぶ、代表的な「グルテンを含む穀物」の一つ。大麦に含まれるグルテンは「ホルデイン」と呼ばれ、小麦のグリアジン・グルテニンと同様に、セリアック病や小麦アレルギー、グルテン不耐症の方にとって、摂取を避けるべきタンパク質です。
ビール1杯(350ml)には、推定で数百mgのグルテンが含まれています。これは、後述するセリアック病の方にとって、決して無視できない量なのです。
「発泡酒ならいいのでは?」の誤解
よく誤解されるのが、「ビールじゃなくて発泡酒なら大丈夫なのでは?」という考えです。
結論から言うと、発泡酒も、ほとんどの製品が麦芽を使用しています。
日本の酒税法では、麦芽使用率が67%以上のものを「ビール」、それ未満を「発泡酒」と分類していますが、これはあくまで税法上の区分であり、原材料としては「麦芽を使用している」点で変わりありません。
ただし、例外もあります。キリンの「のどごし<生>」のように、麦芽の代わりに大豆タンパクを使用した「第3のビール」は、グルテンフリーの可能性があります。しかし、製造ラインの共用によるコンタミネーションのリスクもあるため、完全に安全とは言い切れません。
つまり、通常のビールも発泡酒も、基本的にはグルテンフリーの方にとっては「飲めない飲み物」なのです。
「微量なら大丈夫」は危険な考え
「発酵の過程でグルテンが分解されるのでは?」「アルコールになっているから大丈夫では?」という意見もあります。
しかし、これは誤解です。
発酵の過程で、グルテンタンパク質の一部は分解されますが、完全に消失するわけではありません。通常のビールには、依然として相当量のグルテンが残留しています。
セリアック病の方の場合、1日あたり10〜20mg以下のグルテン摂取でも症状が出ると言われています。通常のビール350mlには、推定で数百mgのグルテンが含まれており、到底「微量」とは言えません。
だからこそ、グルテンフリーの方がビールを楽しむためには、専用に製造された「グルテンフリービール」が必要なのです。
セリアック病とグルテンの科学|なぜビールが危険なのか
グルテンフリービールの話をする前に、なぜグルテンがこれほど問題になるのか、科学的な背景を理解しておくことが重要です。
セリアック病とは何か
セリアック病(Celiac Disease)は、小麦・大麦・ライ麦に含まれる「グルテン」というタンパク質に対する自己免疫疾患です。
遺伝的素因を持つ人がグルテンを摂取すると、免疫反応によって小腸の粘膜が傷つき、栄養を十分に吸収できなくなる「吸収不良」を引き起こします。
主な症状:
- 下痢、便秘などの消化器症状
- 慢性的な疲労感
- 体重減少、栄養失調
- 腹部膨満、腹痛
- 貧血(鉄分吸収不良による)
- 骨粗しょう症(カルシウム吸収不良による)
- 皮膚疾患(疱疹状皮膚炎)
重篤な場合、腸のリンパ腫などの合併症を引き起こす可能性もあります。
小腸の絨毛が破壊されるメカニズム
健康な小腸の内側には、「絨毛(じゅうもう)」と呼ばれる、指のような突起が無数に存在します。この絨毛が、栄養を吸収する表面積を広げる役割を果たしています。
セリアック病の方がグルテンを摂取すると:
- グルテンが小腸に到達
- 免疫系がグルテンを「異物」として認識
- 免疫細胞が過剰に反応し、炎症を引き起こす
- 絨毛が破壊され、平坦化する
- 栄養吸収面積が激減
- 吸収不良により、様々な症状が現れる
この絨毛の破壊は、内視鏡検査で確認できます。健康な小腸の絨毛が「シャギーカーペット」のような見た目なのに対し、セリアック病の小腸は「タイル床」のように平坦になってしまうのです。
HLA-DQ2とHLA-DQ8 – 遺伝的素因
セリアック病の発症には、遺伝的な要素が強く関わっています。
セリアック病の方の90〜95%が「HLA-DQ2」、残りの5〜10%が「HLA-DQ8」という遺伝子型を持っています。これは、ヒト白血球型抗原(HLA)の一種で、免疫反応に関わる重要な遺伝子です。
ただし、HLA-DQ2やDQ8を持っているからといって、必ずセリアック病を発症するわけではありません。欧米では人口の30〜40%がこれらの遺伝子型を持っていますが、実際にセリアック病を発症するのは1〜2%程度です。
つまり、遺伝的素因+環境要因(グルテン摂取)+その他の要因が重なって、初めて発症するのです。
唯一の治療法は「生涯にわたるグルテンフリー食」
現在、セリアック病に対する根本的な治療薬は存在しません。
唯一の治療法は、生涯にわたって、グルテンを完全に除去した食事を続けることです。
グルテンを完全に排除すれば、破壊された絨毛は数週間〜数ヶ月で再生し、症状は改善します。しかし、一度でもグルテンを摂取すれば、再び絨毛が破壊され、症状が再発します。
だからこそ、セリアック病の方にとって、「ビールが飲めない」ということは、単なる嗜好の問題ではなく、健康を守るための絶対的な制約なのです。
そして、だからこそ、グルテンフリービールの存在が、これほどまでに重要なのです。
グルテンフリービールの歴史|1940年代から2025年まで
グルテンフリービールは、いつ、どのようにして生まれたのでしょうか。その歴史を辿ることで、この飲み物の意義がより深く理解できます。
1940年代:グルテンとセリアック病の関係が発見される
グルテンフリービールの歴史は、1940年代のオランダから始まります。
第二次世界大戦中の1944年、オランダは深刻な食糧不足に見舞われました。この時、小児科医のウィレム・カレル・ディッケ(Willem Karel Dicke)は、ある驚くべき現象に気づきます。
それまで原因不明の消化器疾患で苦しんでいた子どもたちが、小麦粉が手に入らなくなった途端、劇的に症状が改善したのです。
ディッケ医師は、小麦に含まれる何らかの成分が、この病気の原因であると結論づけました。後に、その成分が「グルテン」であることが判明し、セリアック病の概念が確立されました。
これが、グルテンフリー食の始まりであり、同時に、グルテンフリービールへの第一歩でもありました。
1990年代:グルテンフリー穀物での実験が始まる
セリアック病の認知が広まるにつれ、1990年代には、グルテンを含まない穀物を使ったビール醸造の実験が始まりました。
使用された穀物は:
- キビ(Millet)
- ソルガム(Sorghum / モロコシ)
- 米(Rice)
- そば(Buckwheat)
これらの穀物は、グルテンを含まない一方で、麦芽のような発酵に必要な酵素を十分に持っていないという課題がありました。醸造家たちは、試行錯誤を重ね、徐々にグルテンフリービールの製法を確立していきました。
1999年:酵素「Clarex」の開発 – 革命的な転換点
1999年、グルテンフリービールの歴史において、革命的な出来事が起こります。
DSM社が、Brewers Clarex®という酵素を開発したのです。
この酵素は、ビール醸造の過程で添加することで、グルテンタンパク質を細かく分解し、20ppm(parts per million)未満まで低減させることができます。
これにより、従来通りの大麦麦芽を使用しながら、グルテンを大幅に削減したビールが製造可能になりました。この技術は、現在でも多くのグルテン除去型ビールで使用されています。
2000年代:専門醸造所の登場
2000年代に入ると、グルテンフリービール専門の醸造所が次々と誕生します。
主要なブランドの誕生:
- Green’s Gluten Free Beers(イギリス) – 2000年代初頭、ソルガム・キビ・米などを使用した完全グルテンフリービールを製造開始
- New Planet Beer(アメリカ) – コロラド州に拠点を置く、グルテンフリービール専門醸造所
- Lakefront Brewery の New Grist(アメリカ) – アメリカ政府が初めてラベル承認したグルテンフリービール
2006年:Redbridgeの全国展開とグルテンフリービール祭
2006年は、グルテンフリービールが一般消費者に広く認知される転換点となりました。
Anheuser-BuschのRedbridgeが、アメリカで初めて全国展開されたソルガムベースのグルテンフリーラガーとして発売されました。大手ビールメーカーの参入により、グルテンフリービールは「ニッチな製品」から「一般的な選択肢」へと変わり始めました。
同じ2006年2月、イギリスのチェスターフィールドで、世界初のグルテンフリービールフェスティバルが開催されました。この イベントは、グルテンフリービールのコミュニティ形成に大きく貢献しました。
2009年〜2013年:規制の整備
市場の拡大とともに、グルテンフリー表示に関する規制も整備されていきました。
- 2009年 – EUが「グルテンフリー」表示の基準として20ppm未満を採用
- 2013年8月 – アメリカFDAが、同様の基準を承認
- 2020年 – アメリカFDAが規制を変更し、グルテン除去型ビールは「Gluten-Free」ではなく「Gluten-Reduced」と表示するよう義務付け
この規制変更は、セリアック病患者の安全を守るための重要な一歩でした。
2019年〜2025年:日本のグルテンフリービール元年
そして、日本でも動きが始まります。
- 2019年 – 和歌山市にORYZAE BREWINGが創業。世界初の「米麹を主原料としたグルテンフリービール」の製造を開始
- 2024年 – 三重県桑名市にRICE HACKが創業。100%米由来の「ORYVIA」を発売
- 2024年 – ORYZAE BREWINGが、International Beer Cup 2024で銅賞を受賞
日本は、「米」という独自の強みを活かし、世界でも独特のグルテンフリービール文化を築きつつあります。
1940年代の発見から約80年。グルテンフリービールは、ニッチな代替品から、独自の価値を持つ一つのビールジャンルへと成長しました。
グルテンフリービールの2つの製法|「完全グルテンフリー」vs「グルテン除去」
ひとくちに「グルテンフリービール」と言っても、実は製法には大きく2つのアプローチがあります。この違いを理解することが、自分に合ったビール選びの第一歩です。
【製法1】グルテンフリー原材料を使用する方法(Ingredient-Based)
これは、最初からグルテンを含まない原材料だけでビールを作るという、最も純粋なアプローチです。
使用される主な原材料:
- 米(こめ) – 日本酒の製法技術を応用。RICE HACK、ORYZAE BREWINGなどが使用
- ソルガム(モロコシ) – アフリカ原産の雑穀。アメリカのRedbridgeなどで使用
- そば – 日本でも栽培が盛ん。日本ビールのg・グルテンフリーIPAで使用
- キビ – 古代から利用される雑穀。同じくg・グルテンフリーIPAで使用
この製法のメリットは:
- 原材料レベルから完全にグルテンフリー
- 重度のセリアック病の方でも安心して飲める
- コンタミネーションのリスクも管理しやすい
- 独自の風味・個性が生まれる
- アメリカFDAの「Gluten-Free」表示が可能
一方で、デメリットもあります:
- 製造コストが高く、価格が高めになる
- 麦芽由来の「ビールらしい苦味・香り」を再現するのが難しい
- 生産量が少なく、入手しにくい場合がある
- 発酵に必要な酵素が不足するため、技術的ハードルが高い
代表的な製品が、日本のORYVIA(RICE HACK)、ORYZAE BREWINGの各種ビール、日本ビールのg・グルテンフリーIPAです。
【製法2】グルテンを除去・低減する方法(Gluten-Removed)
こちらは、通常通り大麦麦芽を使用してビールを作り、その後、酵素でグルテンを分解・除去するという方法です。
使用される酵素は、DSM社のBrewers Clarex®が代表的。この酵素は、グルテンタンパク質を細かく分解し、20ppm(parts per million)未満まで低減させます。
20ppmという基準は、EUのグルテンフリー基準と同じ水準です。
メリット:
- 麦芽本来の風味を保てる
- 「ビールらしい味」を楽しめる
- 既存の醸造設備で製造可能
- 価格が比較的リーズナブル
- 生産量を増やしやすい
デメリット:
- 原材料には大麦麦芽が含まれる
- 完全にグルテンがゼロではない(20ppm未満)
- 重度のセリアック病の方には推奨されない場合がある
- アレルギー表示では「大麦」と記載される
- アメリカでは「Gluten-Reduced」表示が義務付けられる
代表的な製品が、スペインのDAMM Daura(ダム・ダウラ)です。
2020年のFDA規制変更|アメリカでは明確に区別
2020年、アメリカのFDA(食品医薬品局)は、グルテンフリービールに関する規制を大きく変更しました。
これまでは、製法2(グルテン除去型)のビールも「Gluten-Free」と表示できましたが、現在は:
- 製法1(グルテンフリー原材料使用) → 「Gluten-Free(グルテンフリー)」と表示可能
- 製法2(グルテン除去型) → 「Gluten-Reduced(グルテン低減)」または「Crafted to Remove Gluten(グルテン除去製法)」と表示
この変更の背景には、セリアック病患者の安全を守るという目的があります。製法2では、完全にグルテンがゼロになるわけではないため、重度のセリアック病の方には推奨されないケースがあるのです。
日本ではまだこうした明確な表示区分はありませんが、購入する際には、どちらの製法で作られているかを確認することが重要です。
【重要】麦アレルギーの方への注意喚起|「グルテンフリー」≠「麦フリー」
ここで、非常に重要な注意点をお伝えします。
「グルテンフリービール」という言葉を聞いて、「これなら安心だ」と安易に選択してしまうのは、麦アレルギーの方にとって極めて危険です。
グルテンフリー ≠ 麦フリー の落とし穴
上で説明した通り、グルテンフリービールには2つの製法があります。
製法2(グルテン除去型)のビールは、確かに「グルテンが20ppm未満まで除去されている」ため、「グルテンフリー」と表示されています。
しかし、原材料には大麦麦芽が含まれています。
つまり、「グルテンは含まないが、麦は含んでいる」という状態なのです。
これは、セリアック病やグルテン不耐症の方にとっては問題ありませんが、麦アレルギーの方にとっては、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
麦アレルギーとグルテン不耐症は別物
混同されがちですが、この2つは全く異なるメカニズムです。
グルテン不耐症・セリアック病:
- グルテンタンパク質に対する反応
- グルテンが除去されていれば、麦由来でも問題ない場合が多い
- 製法2(グルテン除去型)のビールでも飲める可能性がある
麦アレルギー:
- 麦に含まれる様々なタンパク質に対するアレルギー反応
- グルテンだけでなく、麦由来の他のタンパク質にも反応する
- グルテンが除去されていても、麦由来である限り危険
- 製法2(グルテン除去型)のビールは飲めない
つまり、麦アレルギーの方は、「グルテンフリー」という表示だけを見て安心してはいけません。必ず、原材料に麦類(大麦・小麦・ライ麦など)が含まれていないかを確認する必要があります。
具体例:DAMM Dauraの場合
例えば、前述したスペインの「DAMM Daura」は、優れたグルテン除去型ビールで、グルテン含有量は6ppm未満という非常に低い水準です。
しかし、原材料には「大麦麦芽」が含まれています。
そのため:
- セリアック病の方 → 多くの場合、飲める可能性がある(医師に相談)
- 麦アレルギーの方 → 飲めません。アレルギー反応のリスクがあります
この違いを理解せずに、「グルテンフリーだから大丈夫」と判断してしまうと、重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
安心して選べる選択肢:製法1のビール
では、麦アレルギーの方はどのグルテンフリービールを選べばいいのでしょうか。
答えは、製法1(グルテンフリー原材料使用)のビールです。
例えば、RICE HACK(ORYVIA)のようなビールは:
- 原材料:米、ホップ、酵母、水
- 麦類は一切不使用
- 大麦、小麦、ライ麦、オーツ麦などの麦類が全く含まれていない
- 原材料が明確で、確認しやすい
RICE HACKのような製法1のビールであれば、原材料レベルから麦類が排除されているため、麦アレルギーの方でも安心して選択しやすいと言えます。
同様に、ORYZAE BREWINGや日本ビールのg・グルテンフリーIPA(キビ、モロコシ、米、そば使用)も、麦類を使用していない製法1のビールです。
購入時の確認ポイント
麦アレルギーの方が、グルテンフリービールを購入する際は、以下を必ず確認してください。
- 原材料表示を確認 – 「大麦」「小麦」「麦芽」「モルト」などの記載がないか
- 製法を確認 – 製法1(グルテンフリー原材料使用)か、製法2(グルテン除去型)か
- 製造元に問い合わせ – 不明な点は、必ず製造元や販売元に確認
- 医師に相談 – 初めて飲む場合は、主治医に相談してから
- 少量から試す – 問題なさそうでも、最初は少量から試す
「グルテンフリー」表示を過信しない
繰り返しになりますが、「グルテンフリー」という表示だけを見て、安易に「これなら大丈夫」と判断するのは危険です。
特に、海外製品の場合、日本語表示が不十分で、原材料の詳細がわからないケースもあります。
麦アレルギーの方は、必ず原材料を確認し、自分で判断してください。
そして、わからないことがあれば、飲まないという選択をすることも、自分の健康を守る上で重要です。
グルテンフリービールは、正しく選べば、麦アレルギーの方にとっても素晴らしい選択肢になります。ただし、その選択には、正しい知識と慎重な確認が不可欠なのです。
日本のグルテンフリービール完全ガイド|2025年版
日本で購入可能なグルテンフリービールを、製造元別に詳しく紹介します。すべて実在する製品のみを掲載しています。
RICE HACK「ORYVIA(オリビア)」|三重県桑名市
2024年に誕生した、日本の最新グルテンフリービールです。

会社情報:
- 会社名:株式会社RICE HACK
- 本社:三重県桑名市
- 創業:2024年
- コンセプト:「BEER FOR ALL – 誰でも飲めるビール」
製品特徴:
- 原材料:米、ホップ、酵母、水(麦芽は一切不使用)
- 製法:製法1(完全グルテンフリー原材料使用)
- 原料米:100%国産米使用
- 酒税法上の分類:発泡酒(麦芽不使用のため)
味わいの特徴:
麦芽を使用していないため、通常のビールのような「ガツンとした苦味」はありませんが、その代わりに、米由来のスッキリとした甘みと、軽やかな飲み口が特徴です。日本酒のような「米の旨味」を感じつつも、ホップの香りとビール酵母の発酵感が加わることで、「ビールでも日本酒でもない、新しい飲み物」として楽しめます。
購入方法:
- 公式オンラインショップ:https://ricehack.jp/
- 三重県内の一部小売店
- グルテンフリーイベントでの販売
おすすめポイント:
日本で最も新しく、最も手に入りやすいグルテンフリービールです。公式サイトから確実に購入でき、国内生産のため配送も早い。初めてグルテンフリービールを試す方には、特におすすめです。
ORYZAE BREWING(オリゼーブリューイング)|和歌山市
2019年創業、世界初の米麹を使用したグルテンフリービールを製造する醸造所です。
会社情報:
- 創業:2019年
- 所在地:和歌山県和歌山市船大工町3番地(南海和歌山市駅から徒歩5分)
- 形態:ナノブルワリー(小規模醸造所)
- テイスティングルーム:金曜・土曜 11:00〜18:00(要予約)
製法の特徴:
ORYZAE BREWINGの最大の特徴は、「米麹」を使用している点です。通常のビール製造では麦芽に含まれる酵素を使って糖化(デンプンを糖に変換)しますが、ORYZAEでは、日本酒造りで使われる「米麹」の酵素を利用します。これにより、人工的な酵素添加剤を一切使わずに、米だけでビールを醸造することに成功しました。
この技術は、世界でもORYZAE BREWINGだけが実現しています。
製品ラインナップ:
- Oryzae Malt Pale Ale(オリゼーモルト ペールエール) – 330ml、¥680
- Parallels IPA(パラレルズIPA) – 330ml、¥680
- Japanese White No.9(ジャパニーズホワイトNo.9) – 330ml、¥680
- Hard Kombucha(ハードコンブチャ) – 330ml、¥680
- Kombucha(コンブチャ) – 720ml、¥1,500
すべての製品がグルテンフリー、麦芽不使用です。
受賞歴:
2024年、International Beer Cup 2024で銅賞を受賞。グルテンフリービールとしては異例の快挙です。
購入方法:
- 公式サイト:https://oryzaebrewing.com/
- テイスティングルーム(和歌山市)で直接購入
- 一部のクラフトビール専門店
おすすめポイント:
世界唯一の米麹技術、International Beer Cup受賞という実績、そしてクラフトビールとしての完成度の高さ。グルテンフリービールの可能性を最も広げている醸造所です。
日本ビール株式会社「g・グルテンフリーIPA」|ベルギー製
日本ビール株式会社が販売する、ベルギー製のグルテンフリーIPAです。
製品情報:
- 内容量:330ml / 24本セット
- アルコール度数:6.0%
- スタイル:IPA(インディア・ペールエール)
- 酒類分類:発泡酒
- 原材料:キビ、モロコシ(ソルガム)、米、そば(小麦・大麦は一切不使用)
- 製造国:ベルギー
- 色:琥珀がかった赤茶色
- JANコード:4941221032097
味わいの特徴:
フルボディで、ホップの香りが力強く、ハーブやウッドのニュアンスが特徴。ナッツのようなコクと力強い苦味が基調で、キャラメルのほのかな甘みがバランスを調整しています。
味わい評価(公式):
- 香りの強さ:★★★★★
- 苦味の強さ:★★★★★
- バランスの良さ:★★★★★
購入方法:
- 日本ビール公式サイト内「BeerHouse」:https://www.nipponbeer.jp/
- 一部のオンラインショップ
おすすめポイント:
アルコール度数6.0%、IBU(苦味指数)が高めの本格的なIPA。IPAが好きな方、しっかりした苦味とホップの香りを楽しみたい方におすすめです。
米とビール造り|日本酒の技術が生む新しい可能性
日本のグルテンフリービールが注目される理由の一つが、「米」という原材料と、日本酒造りの技術の融合です。
ビールと日本酒の発酵方法の違い
ビールと日本酒は、どちらも「醸造酒」ですが、発酵方法が根本的に異なります。
ビールの製法:「単行複発酵」
- 糖化 – 麦芽の酵素で、大麦のデンプンを糖に変換
- アルコール発酵 – 酵母が糖をアルコールに変換
この2つのプロセスが、別々のタンクで、順番に行われます。
日本酒の製法:「並行複発酵」
- 糖化 – 米麹の酵素で、米のデンプンを糖に変換
- アルコール発酵 – 酵母が糖をアルコールに変換
この2つのプロセスが、同じタンクで、同時に行われます。
これが「並行複発酵」と呼ばれる、世界でも極めて高度な発酵技術です。日本酒が20度以上の高アルコール度数を実現できるのは、この技術のおかげです。
ORYZAE BREWINGの革新:米麹×ビール
ORYZAE BREWINGは、この日本酒の「米麹」技術を、ビール製造に応用しました。
通常、グルテンフリービールを作る際、米にはビール麦芽のような酵素が含まれていないため、人工的な酵素添加剤を使う必要がありました。
しかし、ORYZAEは、米麹の酵素だけを使って糖化を行い、人工酵素を一切使わずにビールを醸造することに成功しました。
これは、日本酒造りの伝統技術と、ビール醸造の技術を融合させた、世界初の試みです。
なぜ米がグルテンフリービールに適しているのか
米がグルテンフリービールの原料として優れている理由は、いくつかあります。
- グルテンを一切含まない – 小麦・大麦・ライ麦のようなグルテン含有穀物とは、植物学的に全く異なる
- 日本国内で豊富に生産されている – 輸入に頼る必要がない
- 米麹という発酵技術が既に確立されている – 日本酒造りで培われた技術を応用できる
- スッキリとした甘みと軽やかな飲み口 – 日本の食文化に合う味わい
- 和食との相性が良い – 寿司、天ぷら、刺身などと合わせやすい
日本は、「米」という武器を持っているからこそ、世界のグルテンフリービール市場で独自のポジションを築けるのです。
海外のグルテンフリービール|注目の2大ブランド
日本以外でも、グルテンフリービール市場は急速に成長しています。ここでは、日本でも入手可能な、または今後注目すべき海外ブランドを紹介します。
DAMM Daura(ダム・ダウラ)|スペイン
DAMM Dauraは、スペイン・バルセロナに本社を置くDamm社が製造する、グルテン除去型ビールです。
製品の特徴:
- 製法 – 大麦麦芽使用、酵素によるグルテン除去(製法2)
- グルテン含有量 – 6ppm未満(FACE基準適合)
- アルコール度数 – 5.4%
- 容量 – 330ml
- 認証 – スペイン・セリアック協会(FACE)認証取得
FACEは、スペインのセリアック病患者団体で、EU基準(20ppm未満)よりもさらに厳格な基準を設けています。Dauraは、その基準をクリアした製品です。
味わいの特徴:
ラガータイプの黄金色のビールで、麦芽の甘みとホップの苦味のバランスが良く、「普通のビールと変わらない」という評価が多い製品です。グルテンフリービール初心者の方にもおすすめできる、飲みやすい一本です。
購入方法:
日本では、一部の輸入食品店、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのオンラインショップで購入可能です。ただし、製法2のため、原材料には「大麦麦芽」が含まれている点には注意が必要です。
PÕHJALA Helge(ポジャラ・ヘルゲ)|エストニア
PÕHJALA Helgeは、エストニアのクラフトビール醸造所PÕHJALA Breweryが製造する、グルテンフリーのヘイジーペールエールです。
製品の特徴:
- スタイル – Hazy Pale Ale(ヘイジーペールエール)
- グルテン含有量 – 20mg/kg未満(EU基準適合)
- アルコール度数 – 5.0%
- 特徴 – 濁った外観、フルーティーな香り
Helgeは、エストニア語で「優しい、穏やかな」という意味。その名の通り、柔らかな口当たりと、柑橘系のフルーティーな香りが特徴です。
クラフトビール好きの方、IPAやペールエールが好きな方には、特におすすめの一本です。
PÕHJALA Breweryは、バルト三国を代表するクラフトビール醸造所として知られ、グルテンフリー製品にも力を入れています。日本での入手は現時点では限られていますが、今後、輸入が増える可能性のあるブランドです。
海外ブランドを選ぶ際の注意点
海外のグルテンフリービールを購入する際は、以下の点に注意しましょう。
- 製法の確認 – 製法1(完全グルテンフリー)か、製法2(グルテン除去型)かを確認
- 認証マーク – FACE、Coeliac UK、GFCOなどの認証があると安心
- 原材料表示 – 日本語ラベルがある場合、原材料欄を必ず確認
- 賞味期限 – 輸入品は製造から時間が経っている場合があるため要確認
- 価格 – 輸入コストがかかるため、1本500〜800円程度が相場
また、海外製品の中には、日本では「グルテンフリー」と謳っていても、実際にはグルテン含有量が不明確なものもあります。信頼できる輸入業者や、正規代理店から購入することをおすすめします。
グルテンフリービールの選び方|自分に合った一本を見つけるために
ここまで、グルテンフリービールの製法、歴史、日本と海外のブランドを紹介してきました。では、自分に合ったグルテンフリービールは、どうやって選べばいいのでしょうか。
【選び方1】グルテン感受性の程度で選ぶ
最も重要なのは、あなた自身のグルテン感受性の程度です。
重度のセリアック病・アナフィラキシーのリスクがある方:
- 製法1(完全グルテンフリー原材料使用)を選ぶ
- ORYVIA、ORYZAE BREWING、g・グルテンフリーIPAのような、麦類不使用の製品を推奨
- 製造ラインの専用性も確認する
- 初めて飲む場合は、少量から試す
軽度のグルテン不耐症・自主的にグルテンフリーを実践している方:
- 製法2(グルテン除去型)も選択肢に入る
- DAMM Dauraなど、20ppm未満の製品でも問題ない場合が多い
- ただし、初めて飲む場合は少量から試すことを推奨
必ず、医師や栄養士に相談した上で、自分に合った選択をしてください。
【選び方2】味の好みで選ぶ
グルテンフリービールと言っても、味わいは多様です。
- 「ビールらしい苦味・麦の風味」が好き → 製法2のDAMM Dauraなど
- 「軽やかで飲みやすいタイプ」が好き → 製法1のORYVIAなど
- 「クラフトビールのような個性」が好き → ORYZAE BREWINGの各種ビール、PÕHJALA Helgeなど
- 「IPAの強い苦味とホップ香」が好き → g・グルテンフリーIPA
可能であれば、イベントや試飲会で、複数の銘柄を試してから購入するのがおすすめです。
【選び方3】入手のしやすさで選ぶ
どんなに良い製品でも、継続して入手できなければ意味がありません。
- 国内生産品(ORYVIA、ORYZAE BREWING) – 公式サイトから確実に購入可能、配送が早い
- 国内販売品(g・グルテンフリーIPA) – 日本ビールの公式サイトから購入可能
- 海外ブランド – 輸入状況により在庫が不安定な場合もある
「定期的に飲みたい」という方は、安定して入手できるブランドを選ぶことも重要です。
【選び方4】価格で選ぶ
グルテンフリービールは、通常のビールと比べると、どうしても価格が高めです。
- 製法1(完全グルテンフリー) – 1本500〜800円程度
- 製法2(グルテン除去型) – 1本400〜600円程度
毎日飲むには高額ですが、「週末の楽しみ」「特別な日の一杯」として位置づければ、十分に価値のある投資だと思います。
グルテンフリービールの市場動向|今後の展望
グルテンフリービール市場は、世界的に急速に成長しています。
グローバル市場の成長
市場調査によると、グローバルなグルテンフリービール市場は、2024年から2029年の間に、238億米ドル(約3.5兆円)の成長が見込まれています。年平均成長率(CAGR)は19.8%という高い水準です。
この成長の背景には:
- セリアック病の診断率の向上
- グルテンフリーダイエットの普及
- 健康志向の高まり
- 醸造技術の進化
- 大手ビールメーカーの参入
などがあります。
日本市場の可能性
日本では、まだグルテンフリービール市場は黎明期ですが、今後の成長が期待されています。
成長の要因:
- グルテンフリー認知度の向上
- 小麦アレルギー・セリアック病患者の増加(推定)
- 健康志向の消費者の増加
- クラフトビールブームの継続
- 米という独自の原材料の優位性
- 日本酒技術との融合という独自の強み
特に、日本は「米」という、グルテンフリービールに最適な原材料を豊富に持っています。また、日本酒という「米を発酵させる技術」の蓄積もあります。
この強みを活かせば、日本は「米由来グルテンフリービール」の世界的なリーダーになれる可能性を秘めています。
今後期待される展開
- 製品バリエーションの増加 – ラガー、エール、IPA、スタウトなど、様々なスタイルの登場
- 大手メーカーの参入 – キリン、サントリー、アサヒなどの大手による製品開発
- 飲食店での提供拡大 – レストラン、居酒屋、グルテンフリー専門店での取り扱い増加
- 価格の安定化 – 生産量増加に伴う価格低下
- 認証制度の整備 – 日本独自のグルテンフリー認証基準の確立
- 輸出の拡大 – 日本の米由来グルテンフリービールを世界へ
グルテンフリーの方にとって、「ビールが飲める」という選択肢が、当たり前になる日は、そう遠くないかもしれません。
グルテンフリービールを楽しむために知っておきたいこと
保存方法と賞味期限
グルテンフリービールも、通常のビールと同様に、冷暗所での保存が基本です。
- 保存温度 – 冷蔵(5〜10℃)が推奨
- 光 – 直射日光を避ける(光劣化を防ぐ)
- 賞味期限 – 製造から3〜6ヶ月程度が目安
特に、製法1のグルテンフリービールは、麦芽由来の保存性向上成分が含まれていないため、早めに飲むことをおすすめします。
飲み方のポイント
適温:
- 製法2(グルテン除去型)- 5〜8℃(通常のビールと同じ)
- 製法1(米由来など)- 8〜12℃(やや高めの方が風味が際立つ)
- IPA系 – 6〜10℃(ホップの香りが最も際立つ温度)
グラス:
可能であれば、グラスに注いで飲むと、香りや炭酸の感触をより楽しめます。泡立ちが控えめな製品も多いので、ゆっくり注ぐのがコツです。
料理との相性
ORYVIA(米由来)の場合:
- 和食全般 – 寿司、刺身、天ぷら、焼き鳥
- 米料理 – おにぎり、ちらし寿司、ライスサラダ
- あっさり系 – 冷奴、枝豆、海鮮サラダ
米由来の甘みがあるため、繊細な和食の風味を邪魔せず、むしろ引き立ててくれます。
DAMM Daura(グルテン除去型)の場合:
- 洋食 – ピザ(グルテンフリー)、パスタ(米粉)、グリル料理
- 肉料理 – ステーキ、ハンバーグ、ソーセージ
- チーズ – チーズ盛り合わせ、チーズフォンデュ
麦芽の風味が残っているため、通常のビールと同じ感覚で料理と合わせられます。
g・グルテンフリーIPA(IPA)の場合:
- スパイシーな料理 – カレー(グルテンフリー)、タイ料理、インド料理
- 濃い味の料理 – BBQ、焼肉、照り焼き
- チーズ – ブルーチーズ、熟成チーズ
強い苦味とホップの香りが、スパイスや濃い味付けに負けずに調和します。
よくある質問(FAQ)
Q1. グルテンフリービールは、本当に安全ですか?
A. 製法1(グルテンフリー原材料使用)の製品は、原材料レベルから麦類を含まないため、重度のセリアック病の方でも安全に飲める可能性が高いです。ただし、製造ラインの共用などによるコンタミネーションのリスクもあるため、初めて飲む場合は少量から試すことをおすすめします。製法2(グルテン除去型)は、20ppm未満にグルテンが低減されていますが、完全にゼロではないため、重度のセリアック病の方は医師に相談してください。
Q2. 日本では、どのグルテンフリービールが買えますか?
A. 現在、日本で確実に購入できるのは:
- RICE HACKのORYVIA(公式サイト https://ricehack.jp/ から購入可能)
- ORYZAE BREWINGの各種ビール(公式サイト https://oryzaebrewing.com/ から購入可能)
- 日本ビールのg・グルテンフリーIPA(公式サイト https://www.nipponbeer.jp/ から購入可能)
- DAMM Daura(一部の輸入食品店、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで購入可能)
Q3. 味は普通のビールと違いますか?
A. 製法によって異なります。製法2(グルテン除去型)のDAMM Dauraなどは、「普通のビールとほぼ変わらない」という評価が多いです。一方、製法1(米由来など)のORYVIAやORYZAE BREWINGの製品は、麦芽の苦味が少なく、米由来のスッキリした甘みが特徴です。「ビールでも日本酒でもない、新しい飲み物」として楽しむのがおすすめです。g・グルテンフリーIPAは、本格的なIPAの苦味とホップの香りが楽しめます。
Q4. 価格が高いのはなぜですか?
A. グルテンフリービールが高価な理由は:
- 特殊な原材料を使用するため、原価が高い
- 生産量が少なく、スケールメリットが出にくい
- 専用の製造ラインが必要な場合がある
- 研究開発コストが製品価格に反映されている
- 小規模醸造所(ナノブルワリー)が多く、大量生産できない
今後、市場が拡大し、生産量が増えれば、価格も安定してくることが期待されます。
Q5. 子どもや妊婦でも飲めますか?
A. グルテンフリービールも、通常のビールと同じくアルコール飲料です。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。また、妊娠中・授乳中の飲酒は、胎児や乳児に悪影響を及ぼす可能性があるため、控えてください。グルテンフリーであることと、アルコールの有無は別の問題です。
Q6. ノンアルコールのグルテンフリービールはありますか?
A. 現時点では、日本で入手できる「ノンアルコール×グルテンフリー」のビール風飲料は、非常に限られています。海外では一部の製品がありますが、日本への輸入はまだ少ないのが現状です。今後の市場拡大に期待したいところです。
Q7. 製法2のビールは、なぜ「完全グルテンフリー」ではないのですか?
A. 製法2は、酵素でグルテンを分解・除去しますが、分子レベルで完全にゼロにすることは困難です。そのため、20ppm未満という基準を設けています。20ppmは、EUのグルテンフリー基準と同じ水準で、多くのセリアック病患者にとって安全とされていますが、重度の方や、極めて少量でも反応する方には推奨されない場合があります。
Q8. 自宅で作ることはできますか?
A. 理論的には、グルテンフリー原材料(米、ソルガムなど)を使って、自宅でビールを醸造することは可能です。ただし、日本では酒税法により、免許なしにアルコール度数1%以上の飲料を製造することは違法です。また、発酵管理、衛生管理など、専門的な知識と設備が必要です。自宅での醸造は、法律的にも技術的にもハードルが高いため、市販品の購入をおすすめします。
Q9. ORYZAE BREWINGのテイスティングルームには行けますか?
A. はい、ORYZAE BREWINGは和歌山市にテイスティングルームを設けています(南海和歌山市駅から徒歩5分)。営業は金曜・土曜の11:00〜18:00で、予約が必要です。Instagram(@oryzaebrewing)またはFacebookから予約できます。直接訪問して、醸造所の雰囲気を感じながらグルテンフリービールを試すことができます。
Q10. グルテンフリービールは、セリアック病以外の人も飲んでいいですか?
A. もちろんです。グルテンフリービールは、セリアック病の方だけでなく、以下のような方にもおすすめです:
- 小麦アレルギーの方
- グルテン不耐症の方
- 自主的にグルテンフリー生活を送っている方
- 健康志向の方
- 新しいビールの味わいを探している方
- クラフトビール好きの方
グルテンフリービールは、「制約のある人のための代替品」ではなく、「独自の価値を持つ、新しいビールジャンル」として楽しめる飲み物です。
まとめ|グルテンフリーでも、ビールのある生活を
この記事では、グルテンフリービールについて、製法の違い、歴史、セリアック病の科学、日本と海外のブランド、選び方、市場動向まで、徹底的に解説してきました。
重要なポイントをまとめます:
- 通常のビールは大麦麦芽を使用しており、グルテンフリーの方は飲めない
- セリアック病は小腸の絨毛が破壊される自己免疫疾患で、唯一の治療法は生涯にわたるグルテンフリー食
- グルテンフリービールの歴史は1940年代から始まり、1999年の酵素開発、2000年代の専門醸造所の登場を経て、今日に至る
- グルテンフリービールには、製法1(グルテンフリー原材料使用)と製法2(グルテン除去型)の2種類がある
- 重度のセリアック病の方は、製法1を選ぶべき
- 日本では、ORYVIA(RICE HACK)、ORYZAE BREWING、g・グルテンフリーIPA(日本ビール)が購入可能
- 海外では、DAMM Daura(スペイン)、PÕHJALA Helge(エストニア)などが有名
- 日本は「米」と「日本酒技術」という独自の強みを持ち、世界的なリーダーになれる可能性がある
- グローバル市場は年率19.8%で成長中、日本市場も今後の拡大が期待される
私が思うに、グルテンフリー生活の中で、最もつらいことの一つが、「お酒の席での疎外感」です。
みんながビールで乾杯している中、自分だけが違う飲み物を持つ。それは、単に「飲めない」という以上に、「輪から外れている」という感覚を生み出します。
仕事終わりの一杯を、同僚と分かち合えない。
友人との飲み会で、「とりあえずビール」と言えない。
夏祭りで、キンキンに冷えたビールを飲めない。
こうした小さな「できない」の積み重ねが、グルテンフリー生活を送る方の心に、静かな孤独感を生み出してきました。
しかし、ORYVIAのような製品が登場したことで、「みんなと同じようにビールを楽しめる」という選択肢が生まれました。これは、グルテンフリーの方にとって、単なる「飲み物の選択肢が増えた」という以上の意味を持つと思います。
それは、「選べる自由」であり、「参加できる喜び」であり、「みんなと同じ時間を共有できる幸せ」なのです。
もちろん、まだ価格は高く、入手しやすさにも課題があります。味わいも、通常のビールとは異なる部分があります。
しかし、「選べる」という自由があること自体が、大きな前進です。
グルテンフリー生活は、確かに制約が多い。でも、その制約の中でも、楽しみを見つけ、美味しいものを味わい、人生を豊かにすることは可能です。
グルテンフリービールは、その象徴の一つだと、私は思っています。
あなたも、ぜひ一度、グルテンフリービールを試してみてください。きっと、新しい発見と、小さな喜びがあるはずです。
そして、次の飲み会では、堂々とこう言えるかもしれません。
「とりあえず、グルテンフリービールで」
乾杯。
【参考情報】
・RICE HACK公式サイト: https://ricehack.jp/
・ORYZAE BREWING公式サイト: https://oryzaebrewing.com/
・日本ビール株式会社: https://www.nipponbeer.jp/
・この記事の情報は2025年11月時点のものです。製品情報や販売状況は変更される場合があります。
・グルテンフリー製品の選択については、必ず医師や栄養士に相談してください。

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