「オートミールはグルテンフリーって聞いたけど、本当に小麦アレルギーの子どもに食べさせて大丈夫?」
健康志向の高まりとともに人気急上昇中のオートミール。グルテンフリー食材として注目されていますが、実は「グルテンフリー」と一口に言っても、知っておくべき重要なポイントがあります。
オーツ麦自体にはグルテンは含まれていません。しかし、製造工程で小麦が混入する「コンタミネーション」のリスクや、オーツ麦特有のたんぱく質「アベニン」への反応など、小麦アレルギーやセリアック病をお持ちの方が知っておくべき情報があります。
この記事では、30代・40代の忙しいママに向けて、オーツ麦とグルテンの関係を科学的な根拠に基づいて徹底解説。安全なオートミールの選び方から、β-グルカンによるコレステロール低下効果、アベナンスラミドによる美肌効果まで、オーツ麦の魅力と注意点をすべてお伝えします。大麦・ライ麦との違いも比較表でわかりやすく解説しているので、グルテンフリー生活に役立ててください。
オートミールはグルテンフリー?オーツ麦の基本を正しく理解しよう
オートミールの原料であるオーツ麦(燕麦・えんばく)は、グルテンフリーの穀物として知られています。しかし、「グルテンフリー」という言葉の意味を正しく理解していないと、思わぬトラブルにつながることも。まずはグルテンの基本から確認していきましょう。
グルテンとは何か?小麦アレルギーとの関係
グルテンとは、小麦に含まれる「グリアジン」と「グルテニン」という2種類のたんぱく質が水と結びついてできる成分です。パンのもちもち感やうどんのコシは、このグルテンによって生まれます。
小麦アレルギーの方は、小麦に含まれるたんぱく質に対して免疫システムが過剰に反応してしまいます。症状は軽いものから重篤なものまでさまざまで、じんましん、腹痛、下痢、嘔吐、呼吸困難などが起こる可能性があります。
一方、セリアック病は自己免疫疾患の一種で、グルテンを摂取すると小腸の粘膜が損傷を受けます。欧米では人口の約1%がセリアック病とされていますが、日本での有病率は0.05%程度と推定されています。
また、グルテン過敏症(NCGS:非セリアックグルテン過敏症)という状態もあり、セリアック病ではないもののグルテンで体調不良を起こす方もいます。このように、グルテンに対する反応にはいくつかの種類があることを覚えておきましょう。
オーツ麦がグルテンフリーと言われる理由
オーツ麦は、小麦・大麦・ライ麦とは異なるイネ科カラスムギ属の植物です。小麦に含まれる「グリアジン」と「グルテニン」は含まれておらず、したがって「グルテン」は形成されません。
オーツ麦に含まれる主要なたんぱく質は「アベニン」というもので、グルテンとは構造が異なります。このため、オーツ麦は科学的にはグルテンフリーの穀物に分類されます。
ただし、ここで重要なポイントがあります。オーツ麦が「グルテンフリー」であっても、すべてのオートミール製品が安全とは限らないのです。その理由については、次のセクションで詳しく解説します。
なぜ「グルテンフリー」表示のないオートミールがあるのか
スーパーでオートミールを手に取ると、「グルテンフリー」と表示されているものと、そうでないものがあることに気づくでしょう。これには明確な理由があります。
多くのオートミールは、小麦や大麦と同じ畑で輪作されていたり、同じ製造ラインで加工されていたりします。その結果、意図せず小麦が混入してしまう「コンタミネーション」が起こる可能性があるのです。
製造元が「グルテンフリー」と表示するためには、原料の調達から製造まで、厳格な管理体制で小麦の混入を防ぐ必要があります。この管理ができていない製品は、たとえオーツ麦100%であっても「グルテンフリー」とは表示できないのです。
オートミールに小麦が混入する「コンタミネーション」とは
グルテンフリーのオートミールを選ぶ上で、最も重要なキーワードが「コンタミネーション」です。オーツ麦自体にグルテンは含まれていなくても、製品に小麦が混入していれば安全とは言えません。
製造工程での小麦混入リスク

コンタミネーション(交差汚染)とは、製造過程で意図せず他の成分が混入することを指します。オートミールの場合、以下のような場面で小麦の混入が起こりえます。
まず、製造工場での混入リスクがあります。多くの工場では、オーツ麦だけでなく小麦やその他の穀物も同じ製造ラインで加工しています。たとえラインを清掃していても、完全に小麦を除去することは困難で、微量の混入が避けられないケースがあります。
また、輸送・保管時の混入もあります。オーツ麦を運ぶトラックや保管する倉庫が、以前小麦を扱っていた場合、そこから混入することもあります。
さらに、加工時の混入も考えられます。オーツ麦を加工する機械が小麦製品にも使用されている場合、機械内部に残った小麦粉が次の製品に混入する可能性があります。
畑での栽培段階から混入する可能性も
驚くかもしれませんが、コンタミネーションは畑の段階から始まっていることがあります。
農家では、同じ畑でオーツ麦と小麦を交互に栽培する「輪作」を行うことがあります。前年に小麦を育てた畑でオーツ麦を栽培すると、こぼれ種から生えた小麦がオーツ麦に混ざってしまうことがあるのです。
また、隣接する畑で小麦が栽培されている場合、収穫時に風で種子が飛んでくる可能性もあります。さらに、収穫に使用するコンバインが複数の穀物に使われている場合、機械内部に残った小麦が混入するリスクもあります。
このように、コンタミネーションは製造工場だけでなく、サプライチェーン全体で起こりうる問題なのです。
グルテンフリー認証製品を選ぶ重要性
コンタミネーションを確実に避けるためには、信頼できる認証を受けた製品を選ぶことが最も効果的です。
グルテンフリー認証製品は、原料の調達から製造・包装まで、すべての工程でグルテンの混入を防ぐ厳格な管理体制が敷かれています。定期的な検査も行われ、基準値を超えるグルテンが検出されれば出荷されません。
特に小麦アレルギーやセリアック病の方、お子さまに食べさせる場合は、「Certified Gluten-Free」や認証マーク付きの製品を選ぶことを強くおすすめします。価格は通常の製品より高めですが、安全性を考えれば十分な価値があります。
グルテンフリーのオートミールを選ぶときの成分表チェックポイント
では、実際にスーパーやオンラインショップでオートミールを選ぶとき、どのような点に注目すればよいのでしょうか。パッケージの見方から、信頼できる認証マークまで詳しく解説します。
パッケージの「グルテンフリー」表示の見方
まず重要なことをお伝えします。日本には、グルテンフリー表示に関する法的な基準がありません。つまり、極端に言えば、グルテンが多量に含まれていても「グルテンフリー」と表示できてしまう状況です。
一方、海外では厳格な基準があります。アメリカ(FDA)、EU、オーストラリアなどでは、グルテン含有量が20ppm(0.002%)未満の製品のみが「グルテンフリー」と表示できます。これは、1kgあたり20mg以下という非常に厳しい基準です。
そのため、日本で販売されているオートミールを選ぶ際は、単に「グルテンフリー」と書いてあるだけでなく、以下のポイントを確認することが大切です。
- 製造国とその国の基準(アメリカやEU産なら基準がある)
- 第三者機関による認証マークの有無
- アレルゲン表示(「小麦を含む製品と同じ製造ラインで製造」などの記載)
- メーカーの品質管理に関する情報
GFCO認証マークとは?国際基準との違い
グルテンフリー製品を選ぶ際に最も信頼できる指標の一つが、GFCO(Gluten-Free Certification Organization)認証マークです。
GFCOはアメリカに本部を置く国際的な第三者認証機関で、その基準は国際基準(20ppm)よりもさらに厳しい10ppm以下です。GFCO認証を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- すべての原料のグルテン含有量が10ppm以下
- 大麦ベースの原料を含まない
- 定期的な製品検査と監査への合格
日本でもGFCOマーク付きの製品は20以上流通しており、オンラインショップで購入可能です。パッケージに「GF」のマークがあるか確認してみてください。
なお、日本独自の認証制度として「ノングルテン」米粉認証があります。これはグルテン含有量1ppm以下という世界で最も厳しい基準ですが、現在のところ米粉製品のみが対象で、オートミールは含まれていません。
日本で買えるグルテンフリーオートミールの選び方
日本でグルテンフリーのオートミールを入手する方法をいくつかご紹介します。
まず、輸入食品店やオーガニック専門店では、アメリカやカナダ産のグルテンフリー認証付きオートミールを取り扱っていることがあります。有名なブランドとしては、Bob’s Red Mill(ボブズレッドミル)などがあり、GFCO認証を取得した製品も販売しています。
オンラインショップでは、より多くの選択肢があります。Amazonや楽天市場で「グルテンフリー オートミール」で検索すると、NSF認証やGFCO認証を取得した製品が見つかります。
購入時のチェックポイントをまとめると以下のようになります。
- 「Certified Gluten-Free」または認証マークがあるか
- 原材料に「オーツ麦」のみ記載されているか(他の穀物が入っていないか)
- 「小麦と同じ製造ラインで製造」などの注意書きがないか
- 製造国の基準を確認(アメリカ・EU・カナダなどは20ppm基準)
オーツ麦に含まれる「アベニン」とアレルギーの関係
オーツ麦にグルテンが含まれていないことはお伝えしました。しかし、オーツ麦には「アベニン」という独自のたんぱく質が含まれており、これが問題になるケースがあります。
アベニンとは?グルテンとの違い
アベニンは、オーツ麦に含まれるプロラミン(貯蔵たんぱく質)の一種です。小麦のグリアジン、大麦のホルデイン、ライ麦のセカリンと同じファミリーに属しますが、分子構造には違いがあります。
科学的な研究によると、アベニンは小麦のグリアジンと比較して、セリアック病患者への毒性が低いことが示されています。ある研究では、セリアック病患者に純粋なアベニンを投与しても、腸や皮膚への毒性効果は確認されませんでした。
このため、多くのセリアック病患者はオーツ麦を安全に摂取できると考えられています。ただし、一部の方には注意が必要です。
セリアック病患者の一部がアベニンに反応する理由
研究によると、セリアック病患者の約3〜8%がアベニンに反応する可能性があるとされています。その理由として、以下の点が挙げられています。
まず、オーツ麦の品種による違いがあります。最近の研究では、オーツ麦の品種によってアベニンの免疫原性(免疫反応を引き起こす性質)が異なることがわかっています。ある品種は高い免疫原性を示し、別の品種はほとんど免疫原性を示さないという結果が報告されています。
また、個人差も大きな要因です。同じオーツ麦製品を食べても、反応が出る人と出ない人がいます。これは個々人の免疫システムの違いによるものと考えられています。
これらのことから、セリアック病と診断されている方がオーツ麦を食べる場合は、必ず医師に相談し、少量から始めて体の反応を観察することが推奨されています。
小麦アレルギーの方がオートミールを食べるときの注意点
小麦アレルギー(IgE媒介型アレルギー)の方の場合、アベニンに対する反応はセリアック病とはまた異なります。
小麦アレルギーの原因となるたんぱく質は主にグリアジンやグルテニンであり、オーツ麦のアベニンとは異なるため、理論上はオーツ麦を食べられる可能性があります。ただし、以下の点に注意が必要です。
まず、交差反応の可能性があります。まれに、小麦たんぱく質とアベニンが類似した構造を持つ部分があるため、交差反応を起こす方がいます。
次に、コンタミネーションのリスクがあります。前述の通り、多くのオートミール製品には微量の小麦が混入している可能性があります。小麦アレルギーが重度の方は、ごく微量でも反応が出ることがあります。
そのため、初めてオートミールを試す場合は以下のステップをおすすめします。
- 必ずグルテンフリー認証付きの製品を選ぶ
- 最初は少量(スプーン1杯程度)から始める
- 食べた後、数時間から24時間は体調の変化を観察する
- 異常がなければ、徐々に量を増やしていく
- お子さまの場合は、必ず医師に相談してから始める
オーツ麦のβ-グルカンが悪玉コレステロールを下げる仕組み
オーツ麦がグルテンフリーで安全に食べられることがわかったところで、ここからはオーツ麦の健康効果についてご紹介します。特に注目すべきは、β-グルカン(ベータグルカン)という成分です。
β-グルカンとは?水溶性食物繊維のチカラ
β-グルカンは、オーツ麦に豊富に含まれる水溶性食物繊維の一種です。オーツ麦100gあたり約4gのβ-グルカンが含まれており、これは大麦に次いで穀物中2番目に多い含有量です。
β-グルカンには以下のような特徴があります。
まず、粘性が高いことが挙げられます。水を吸収するとゲル状になり、この粘性が健康効果の鍵となります。
次に、消化されにくいという特徴があります。小腸で消化されずに大腸まで到達し、善玉菌のエサとなります。
また、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。食事と一緒に摂ることで、糖質の吸収を穏やかにします。
FDA・EUも認めたコレステロール低下効果
β-グルカンのコレステロール低下効果は、科学的なエビデンスが豊富で、各国の規制当局からも認められています。
アメリカのFDA(食品医薬品局)は、オーツ麦のβ-グルカンを1日3g以上摂取することで、心臓病のリスクを低減する可能性があるという健康強調表示を認可しています。
EU(欧州連合)でも同様に、β-グルカンが正常なコレステロール値の維持に寄与するという表示が認められています。
では、β-グルカンはどのようにしてコレステロールを下げるのでしょうか。そのメカニズムは以下の通りです。
- β-グルカンが小腸内でゲル状になる
- このゲルが胆汁酸(コレステロールから作られる)を吸着する
- 吸着された胆汁酸は体外に排出される
- 体は新たな胆汁酸を作るために、血中のコレステロールを使う
- 結果として、血中のLDL(悪玉)コレステロール値が低下する
複数の研究により、オーツ麦のβ-グルカンを毎日摂取することで、LDLコレステロール値が5〜10%低下することが報告されています。
1日にどれくらい食べれば効果的?
コレステロール低下効果を期待するなら、1日あたり3gのβ-グルカンを摂取することが目安です。
オートミール(乾燥状態)には、100gあたり約4gのβ-グルカンが含まれています。つまり、1日75g程度のオートミールを食べれば、目標量に達する計算です。
これは調理前の乾燥重量なので、お粥やグラノーラにすると結構なボリュームになります。朝食に1食分(約40〜50g)を食べるだけでも、かなりの量のβ-グルカンを摂取できます。
ただし、効果を実感するためには継続が大切です。1〜2回食べただけでは効果は現れません。毎日の習慣として取り入れることで、徐々に効果が現れてきます。
また、β-グルカンの効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントも意識してみてください。
- 水分と一緒に摂る(β-グルカンは水を吸収してゲル化するため)
- 食事の最初に食べる(血糖値の急上昇を抑える効果を期待するなら)
- バランスの良い食事と組み合わせる(オートミールだけに頼らない)
オートミールは肌にもいい!アベナンスラミドの美容効果
オーツ麦の魅力は、健康効果だけではありません。実は、美容分野でもオーツ麦由来の成分が注目されています。その主役が「アベナンスラミド」というポリフェノールです。
アベナンスラミドはオーツ麦だけに含まれるポリフェノール
アベナンスラミド(Avenanthramide)は、オーツ麦にのみ含まれるポリフェノールの一種です。他の穀物には含まれておらず、オーツ麦特有の成分として研究が進められています。
アベナンスラミドには20種類以上の種類があり、主にオーツ麦の外皮(ふすま)部分に多く含まれています。そのため、精製されていない全粒オーツ麦やオートミールを食べることで、効率よく摂取できます。
近年の研究では、アベナンスラミドが以下のような健康効果を持つ可能性が示されています。
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
- かゆみを抑える作用
- 動脈硬化予防の可能性
肌の炎症やかゆみを抑える抗炎症作用
アベナンスラミドの最も注目されている効果の一つが、抗炎症作用です。
研究によると、アベナンスラミドは炎症を引き起こすサイトカイン(免疫系の情報伝達物質)の産生を抑制する働きがあることがわかっています。ある実験では、神経性炎症を持つマウスにアベナンスラミドを与えたところ、炎症が大幅に軽減したという結果が報告されています。
また、かゆみを抑える効果も確認されています。肌の炎症やかゆみに悩む方にとって、オーツ麦由来の成分は注目に値します。
このため、欧米ではオーツ麦エキスがスキンケア製品に広く使用されています。敏感肌用のローションやクリームに「コロイダルオートミール」として配合されていることがあり、FDA(アメリカ食品医薬品局)も皮膚保護剤として認可しています。
抗酸化作用でエイジングケアにも期待
アベナンスラミドには、強力な抗酸化作用があることも研究で明らかになっています。
健康な成人を対象にした研究では、アベナンスラミドを摂取した後、血液の抗酸化能力が4倍に高まったという報告があります。抗酸化作用は、体内で発生する活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ働きがあります。
別の研究では、アベナンスラミドを含むカプセルを1か月間服用した被験者において、抗酸化能力の増加に加えて、高コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロールの低下も観察されています。
これらの研究結果から、アベナンスラミドには内側から肌を守り、エイジングケアにも貢献する可能性があると考えられています。
ただし、これらの効果はまだ研究段階のものも多く、「オートミールを食べれば肌がきれいになる」と断言できるものではありません。バランスの良い食事の一部としてオートミールを取り入れることで、総合的な健康維持に役立てていただければと思います。
大麦・押し麦・ライ麦・オーツ麦の違いを徹底比較
「麦」と名のつく食品はたくさんありますが、グルテンフリー生活を送る上で、それぞれの違いを正しく理解することが重要です。ここでは、混同されやすい麦の種類について整理します。
グルテンを含む麦・含まない麦の一覧
まず、結論からお伝えします。
グルテンを含む麦(避けるべき)
- 小麦(パン、うどん、パスタなどの原料)
- 大麦(麦ごはん、ビール、麦茶の原料)
- ライ麦(ライ麦パンの原料)
- 押し麦(大麦を加工したもの)
- もち麦(大麦の一種)
グルテンを含まない麦(基本的に安全)
- オーツ麦(オートミールの原料)※コンタミネーション注意
- ハト麦(はと麦茶、漢方薬の原料)※ただし、ハト麦茶などの加工品は大麦とブレンドされていることが多いため、原材料表示を必ず確認してください
ここで注意が必要なのは、大麦に含まれるたんぱく質「ホルデイン」です。厳密には小麦のグルテンとは異なりますが、分子構造が非常に似ているため、セリアック病患者や小麦アレルギーの方は反応を起こす可能性があります。そのため、グルテンフリー生活では大麦も避けることが推奨されています。
大麦と押し麦・もち麦の関係
スーパーの雑穀コーナーに行くと、「押し麦」「もち麦」「丸麦」などさまざまな名前の商品が並んでいます。これらの関係を整理しましょう。
大麦は、イネ科オオムギ属の植物で、日本では縄文時代から栽培されてきた穀物です。大麦はそのままでは硬くて食べにくいため、さまざまな加工がされています。
押し麦は、大麦の外皮を取り除き、蒸してからローラーで押しつぶして平たくしたものです。吸水性が高まり、白米と一緒に炊きやすくなっています。「うるち性」の大麦から作られます。
もち麦は、「もち性」の大麦のことです。普通の大麦よりも粘り気があり、もちもちとした食感が特徴です。β-グルカンの含有量が押し麦より多いとされ、健康食品として人気があります。
丸麦は、大麦の外皮だけを取り除いたもので、押しつぶしていない状態です。プチプチとした食感があります。
いずれも大麦から作られているため、グルテン(に類似したホルデイン)を含んでいます。グルテンフリー生活では、これらはすべて避ける必要があります。
グラノーラには小麦が含まれることが多い
オートミールと混同されやすい食品に「グラノーラ」があります。しかし、この2つは全く別の食品です。
オートミールは、オーツ麦を加熱して加工しただけのシンプルな食品です。原材料はオーツ麦のみで、基本的に味付けはされていません。
グラノーラは、オーツ麦を含む複数の穀物に、ナッツやドライフルーツを混ぜ、シロップやはちみつで甘く味付けしてオーブンで焼き上げたものです。
ここで重要なのは、多くの市販グラノーラには小麦粉やライ麦粉が含まれているということです。「オーツ麦が主原料だからグルテンフリー」と思い込んで食べてしまうと、思わぬトラブルの原因になります。
グラノーラを選ぶ際は、必ず原材料表示を確認してください。以下のような表示がある場合は、グルテンを含んでいます。
- 小麦粉
- 小麦全粒粉
- ライ麦粉
- 大麦
- 麦芽エキス
グルテンフリーのグラノーラを食べたい場合は、「グルテンフリー」と明記された製品か、オーツ麦・米・ナッツ・ドライフルーツのみで作られた製品を選びましょう。最近では、グルテンフリー専門メーカーから米粉ベースのグラノーラなども販売されています。
オートミールに関するよくある質問
最後に、オートミールとグルテンフリーに関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. オートミールは離乳食に使えますか?
A. グルテンフリー認証付きのオートミールであれば、離乳食に使うことは可能です。ただし、いくつかの注意点があります。
まず、開始時期については、一般的に離乳食中期(生後7〜8か月頃)以降が目安とされています。ただし、お子さまの発達状況により異なりますので、かかりつけ医や保健師に相談されることをおすすめします。
初めて与える際は、必ずグルテンフリー認証付きの製品を選び、ごく少量から始めてください。乳幼児は消化機能が未熟なため、大人なら問題ない微量のコンタミネーションでも敏感に反応することがあります。アレルギー反応が出ないか、数日間は様子を観察しましょう。
また、お子さまに小麦アレルギーの疑いがある場合や、ご家族にアレルギー体質の方がいる場合は、必ず医師に相談してから始めてください。
調理法としては、オートミールを多めの水や母乳・ミルクでやわらかく煮て、ペースト状にするのが一般的です。最初は薄めに作り、慣れてきたら少しずつ濃度を上げていきます。
Q. オートミールとグラノーラの違いは?
A. 先ほども触れましたが、改めて違いを整理します。
オートミール
- 原材料:オーツ麦のみ
- 味付け:基本的になし(インスタントオーツを除く)
- カロリー:100gあたり約350kcal
- 食べ方:加熱調理が必要(お粥、リゾット、パンケーキなど)
- GI値:約45(低GI)
グラノーラ
- 原材料:オーツ麦+その他の穀物+ナッツ+ドライフルーツ+甘味料
- 味付け:シロップやはちみつで甘い
- カロリー:100gあたり約400〜500kcal
- 食べ方:そのまま食べられる
- GI値:約50
グルテンフリー生活の観点から言えば、オートミール(グルテンフリー認証付き)の方が安全です。グラノーラは小麦粉やライ麦粉が含まれている製品が多いため、必ず原材料表示を確認してください。
ダイエットの観点からも、砂糖やシロップが加えられていないオートミールの方がカロリーコントロールしやすいと言えます。
Q. オートミールを毎日食べても大丈夫?
A. 適量であれば、毎日食べても問題ありません。むしろ、β-グルカンの効果を得るためには継続して摂取することが推奨されています。
ただし、以下の点に注意が必要です。
適量を守る:1食あたり30〜50g(乾燥重量)が目安です。食物繊維が豊富なので、食べ過ぎるとお腹が張ったり、ガスが溜まったりすることがあります。
水分をしっかり摂る:オートミールは水分を吸収する性質があるため、食べる際は十分な水分と一緒に摂ることが大切です。水分が不足すると、便秘の原因になることがあります。
バランスの良い食事を心がける:オートミールは栄養価が高い食品ですが、すべての栄養素を含んでいるわけではありません。野菜、たんぱく質、良質な脂質なども組み合わせて、バランスの良い食事を心がけましょう。
体調の変化に注意する:毎日食べ始めて体調に変化があった場合は、一度中断して様子を見てください。前述の通り、一部の方はオーツ麦のアベニンに反応することがあります。
これらの点に気をつければ、オートミールは毎日の食事に取り入れやすい、優れた健康食品です。
まとめ
この記事では、オーツ麦とグルテンフリーの関係について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
オーツ麦の基本
- オーツ麦自体にはグルテン(グリアジン+グルテニン)は含まれていない
- ただし「アベニン」という類似たんぱく質を含み、セリアック病患者の一部(約3〜8%)が反応する可能性がある
- 製造過程での小麦混入(コンタミネーション)リスクがあるため、認証製品を選ぶことが重要
安全な製品の選び方
- 日本にはグルテンフリーの法的基準がないため、第三者認証が重要
- GFCO認証(10ppm以下)は国際基準(20ppm)よりも厳格
- 「Certified Gluten-Free」マークやGFCOマーク付き製品を選ぶ
- グラノーラには小麦粉が含まれることが多いので要注意
オーツ麦の健康・美容効果
- β-グルカン(水溶性食物繊維)がLDLコレステロールを低下させる効果はFDA・EUも認定
- アベナンスラミド(オーツ麦特有のポリフェノール)には抗炎症・抗酸化作用がある
- 1日75g程度のオートミールで3gのβ-グルカンを摂取できる
グルテンを含む麦・含まない麦
- グルテン含有:小麦、大麦(押し麦・もち麦含む)、ライ麦
- グルテン非含有:オーツ麦、ハト麦(ただしハト麦茶は大麦とブレンドされていることが多いため要確認)
オートミールは正しい知識を持って選べば、グルテンフリー生活の強い味方になります。お子さまに初めて与える場合は少量から始め、体調の変化を観察しながら取り入れてくださいね。毎日の食事にオートミールを上手に活用して、健康的なグルテンフリー生活を楽しみましょう。

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