「片栗粉がない!米粉で代用できる?」「米粉と片栗粉って何が違うの?」料理中にこんな疑問を持ったことはありませんか?
結論から言うと、米粉は片栗粉の代用として使えます。ただし、用途によって向き・不向きがあり、仕上がりに違いが出ることがあります。
片栗粉はとろみ付けや揚げ物の衣、和菓子作りなど幅広く使われる便利な粉ですが、切らしてしまったときや、片栗粉に含まれる原料が気になる方には、米粉が代替の選択肢になります。
- 米粉と片栗粉の違いと特徴
- 用途別の代用可否と注意点
- 米粉で上手にとろみをつけるコツ
- 揚げ物の衣に米粉を使う方法
※アレルギーをお持ちの方は、原材料表示を必ず確認してください。
米粉と片栗粉の違い【基礎知識】

原料の違い
まず、米粉と片栗粉の最も基本的な違いである原料について説明します。米粉は、その名の通り「お米」を粉砕して粉状にしたものです。うるち米(普通のご飯に使う米)から作られることが多く、もち米から作られるものもあります。一方、片栗粉はもともと「カタクリ」という植物の根茎から作られていましたが、現在市販されている片栗粉のほとんどは「じゃがいも」のでんぷんから作られています。つまり、米粉は「米のでんぷん+たんぱく質など」を含むのに対し、片栗粉は「じゃがいもの純粋なでんぷん」ということになります。この原料の違いが、調理特性の違いにつながっています。
成分と栄養の違い
成分と栄養面でも、米粉と片栗粉には違いがあります。米粉100gあたりの主な成分は、エネルギー362kcal、たんぱく質6.0g、脂質0.9g、炭水化物81.9gです。一方、片栗粉100gあたりは、エネルギー338kcal、たんぱく質0.1g、脂質0.1g、炭水化物81.6gとなっています。大きな違いは、たんぱく質の含有量です。米粉にはたんぱく質が約6%含まれていますが、片栗粉はほぼ純粋なでんぷんなので、たんぱく質はほとんど含まれていません。このたんぱく質の有無が、加熱したときの性質や食感に影響を与えます。カロリーは米粉の方がやや高めですが、使用量が少ないため大きな差にはなりません。
| 項目 | 米粉 | 片栗粉 |
|---|---|---|
| 原料 | うるち米・もち米 | じゃがいも(馬鈴薯) |
| 主成分 | でんぷん+たんぱく質 | でんぷん(ほぼ100%) |
| カロリー(100g) | 362kcal | 338kcal |
| たんぱく質(100g) | 6.0g | 0.1g |
| グルテン | なし | なし |
加熱したときの性質の違い
米粉と片栗粉を加熱したときの性質には、明確な違いがあります。片栗粉は水に溶いて加熱すると、約60〜70℃で急速に糊化(こか)し、透明でつやのあるとろみが生まれます。このとろみは強力で、あんかけや中華料理のとろみ付けに最適です。ただし、片栗粉のとろみは時間が経つと水っぽくなる(離水する)傾向があります。米粉も加熱するととろみが出ますが、糊化温度が片栗粉より高く(約70〜80℃)、ゆっくりと粘りが出てきます。米粉のとろみは片栗粉ほど透明にはならず、やや白っぽい仕上がりになります。また、米粉のとろみは片栗粉より離水しにくく、冷めても比較的とろみが持続するという特徴があります。
食感の違い
調理後の食感にも違いがあります。片栗粉を使った料理は、つるっとした滑らかな口当たりが特徴です。わらび餅風のお菓子や、葛湯のようなとろみのある飲み物によく使われるのは、この滑らかさを活かすためです。揚げ物の衣に使うと、カリッと軽い食感に仕上がり、時間が経っても比較的サクサク感が持続します。一方、米粉を使った料理は、もちもちとした食感が特徴です。米粉の衣で揚げた唐揚げや天ぷらは、サクサクというよりはカリカリ・ザクザクとした食感になります。どちらが良いかは好みや料理によりますが、この食感の違いを理解しておくと、代用する際の参考になります。
アレルギーの観点から
アレルギーの観点からも、米粉と片栗粉の違いを確認しておきましょう。米粉と片栗粉は、どちらもグルテンフリーです。小麦アレルギーやグルテン過敏症の方にとっては、どちらも代替として使える食材です。ただし、原料が異なるため、特定のアレルギーをお持ちの方は注意が必要です。片栗粉の原料はじゃがいもなので、じゃがいもアレルギーの方は使用を避ける必要があります。米粉の原料は米なので、稀ですが米アレルギーの方は注意が必要です。また、市販の片栗粉や米粉の中には、製造ラインで小麦を扱っているものもあります。厳密なグルテンフリーが必要な方は、製造ラインの情報も確認することをおすすめします。
米粉で片栗粉を代用できる料理・できない料理
代用OK:揚げ物の衣(唐揚げ・竜田揚げ)
揚げ物の衣として、米粉は片栗粉の代用に最も適した用途の一つです。唐揚げや竜田揚げに米粉を使うと、カリカリ・ザクザクとした食感に仕上がります。片栗粉の衣と比べると、よりしっかりとした歯ごたえが出ます。米粉の特徴として、油の吸収が少ないことが挙げられます。片栗粉の衣より約20〜30%少ない油で仕上がるとも言われており、カロリーを気にする方にはメリットです。また、米粉の衣は冷めてもカリカリ感が持続しやすく、お弁当のおかずにも向いています。使い方は片栗粉と同じで、下味をつけた肉や魚に直接まぶして揚げるだけです。波里やみたけ食品の米粉は、揚げ物用にも適しています。
・肉の水分をしっかり拭き取ってから米粉をまぶす
・衣は薄めにつけると、よりカリッと仕上がる
・揚げ油の温度は170〜180℃がベスト
・二度揚げするとさらにサクサクに
代用OK:天ぷらの衣
天ぷらの衣にも、米粉は片栗粉の代用として使えます。一般的な天ぷらの衣は小麦粉がベースですが、グルテンフリーの天ぷらを作る場合、米粉と片栗粉を混ぜて使うことが多いです。片栗粉がない場合は、米粉だけでも天ぷらを作ることができます。米粉だけの天ぷら衣は、もちもちとした食感になりやすいので、炭酸水を加えるとサクサク感が出やすくなります。配合の目安は、米粉100gに対して冷水または炭酸水100〜120ml程度です。卵を加えるとコクが出ますが、卵なしでも十分美味しく作れます。野菜の天ぷらには米粉の衣がよく合い、素材の味を引き立ててくれます。
代用注意:とろみ付け(あんかけ・中華)
とろみ付けに米粉を使う場合は、いくつかの注意点があります。米粉でもとろみをつけることはできますが、片栗粉のような透明でつやのあるとろみにはなりません。米粉のとろみはやや白っぽく、マットな仕上がりになります。見た目を重視する料理(例:中華料理のあんかけ、八宝菜など)では、仕上がりが異なることを理解しておきましょう。また、片栗粉より多めの量が必要になることがあります。片栗粉大さじ1の代わりに、米粉大さじ1.5程度を目安にしてください。米粉は片栗粉より糊化温度が高いので、しっかり加熱することがポイントです。一方、米粉のとろみは離水しにくいので、作り置きする料理や、冷めても食べる料理には米粉の方が向いています。
代用難しい:わらび餅・くず餅風のお菓子
わらび餅やくず餅風のお菓子を作る場合、米粉は片栗粉の代用として難しい面があります。これらのお菓子は、でんぷんが糊化して透明になり、つるっとした食感になることが特徴です。片栗粉(じゃがいもでんぷん)は、この透明感と滑らかさを出すのに適しています。米粉を使うと、白っぽく不透明な仕上がりになり、もちもちとした食感が強くなります。「わらび餅」というより「お餅」に近い仕上がりになってしまいます。どうしても米粉で作りたい場合は、「わらび餅風」ではなく「米粉のお餅」として楽しむ方がよいでしょう。透明感のあるわらび餅を作りたいなら、わらび餅粉や本わらび粉、または片栗粉を使うことをおすすめします。
代用OK:料理のつなぎ・まとめ役
ハンバーグや肉団子のつなぎとして、米粉は片栗粉の代用になります。片栗粉をつなぎに使うと、加熱したときにでんぷんが糊化して材料をまとめ、ふっくらとした食感に仕上がります。米粉も同様の効果がありますが、やや密度の高い、しっかりとした食感になる傾向があります。使用量は片栗粉と同量か、やや多めで良いでしょう。ハンバーグなら2人分で大さじ1〜2程度が目安です。また、米粉は餃子のたねをまとめるのにも使えます。片栗粉の代わりに米粉を加えると、餃子の皮との相性も良く、もちっとした食感の餃子になります。小麦粉の代わりに米粉を使った手作り餃子の皮と合わせれば、完全グルテンフリーの餃子も作れます。
米粉でとろみをつける方法とコツ

基本の水溶き米粉の作り方
米粉でとろみをつける基本的な方法をご紹介します。まず、米粉と水を1:2の割合で混ぜて「水溶き米粉」を作ります。例えば、米粉大さじ1に対して水大さじ2です。ボウルや小皿に米粉を入れ、水を少しずつ加えながら、ダマにならないようによく混ぜます。米粉は片栗粉より水に溶けにくいので、しっかり混ぜることがポイントです。混ぜたらすぐに使わず、5分ほど置いて米粉が水を吸収するのを待つとよいでしょう。使う直前にもう一度よく混ぜてから、火を止めた(または弱火にした)料理に回し入れ、よくかき混ぜながら再度加熱します。とろみがついたら完成です。
片栗粉より多めに使うのがコツ
米粉で片栗粉と同等のとろみをつけたい場合は、量を調整する必要があります。一般的に、片栗粉の約1.5倍の米粉を使うと、同程度のとろみになります。例えば、レシピで「片栗粉大さじ1」とある場合、「米粉大さじ1.5」に置き換えます。ただし、料理によって適切なとろみの具合は異なるので、最初は少なめに入れて、足りなければ追加するという方法がおすすめです。米粉を入れすぎると、とろみというより「ねっとり」「もったり」した食感になってしまいます。また、米粉は冷めるととろみが増す傾向があるので、熱いうちにちょうど良いとろみに仕上げると、冷めたときに固くなりすぎることがあります。少しゆるめに仕上げるのがコツです。
- 軽いとろみ:煮汁200mlに対して米粉小さじ2
- 中程度のとろみ:煮汁200mlに対して米粉大さじ1
- しっかりとろみ:煮汁200mlに対して米粉大さじ1.5
しっかり加熱することが重要
米粉でとろみをつける際、しっかり加熱することが非常に重要です。米粉は片栗粉より糊化温度が高く、約70〜80℃で糊化が始まります。加熱が不十分だと、粉っぽさが残ったり、とろみがつかなかったりします。水溶き米粉を加えたら、中火〜強火で沸騰させながら、木べらやお玉でしっかりかき混ぜ続けてください。1〜2分程度、ぐつぐつと煮立てることで、米粉がしっかり糊化してとろみがつきます。焦げないように注意しながら、鍋底までしっかりかき混ぜましょう。加熱が足りないと思ったら、蓋をして1〜2分蒸らすのも効果的です。しっかり加熱された米粉のとろみは、粉っぽさがなく、なめらかな舌触りになります。
透明感を出したい場合の工夫
米粉のとろみは白っぽくなりがちですが、少しでも透明感を出したい場合の工夫をご紹介します。まず、米粉の量を控えめにして、その分しっかり加熱することで、やや透明に近い仕上がりになります。次に、米粉とコーンスターチ(とうもろこしでんぷん)をブレンドする方法があります。米粉とコーンスターチを1:1で混ぜて使うと、米粉だけより透明感が出ます。コーンスターチもグルテンフリーなので、グルテンフリー食材としての特性は保たれます。また、製菓用の超微粒子米粉を使うと、一般的な米粉より透明感が出やすくなります。とはいえ、片栗粉ほどの透明感を出すのは難しいので、見た目を重視する料理には片栗粉を使う方がよいでしょう。
とろみが固まりすぎたときの対処法
米粉を入れすぎたり、冷めてとろみが固くなりすぎたりした場合の対処法をご紹介します。最も簡単な方法は、水やだし汁を少しずつ加えて再加熱し、とろみをゆるめることです。一気に大量の水を加えるとシャバシャバになってしまうので、少しずつ加えては混ぜ、好みのとろみ加減になるまで調整してください。また、冷めて固くなったあんかけは、電子レンジで温め直すと、ある程度とろみが戻ります。500Wで30秒〜1分ずつ加熱し、その都度かき混ぜて様子を見てください。それでも固すぎる場合は、フライパンに移して水を加えながら再加熱する方法もあります。焦らず少しずつ調整するのがコツです。
揚げ物の衣に米粉を使うときのポイント
米粉衣の特徴と魅力
米粉を揚げ物の衣に使うと、片栗粉や小麦粉とは異なる独特の魅力があります。まず、油の吸収が少ないことが大きなメリットです。米粉はグルテンを含まないため、衣がさっくりと軽く、油をあまり吸いません。同じ量の材料を揚げた場合、小麦粉の衣より約20〜30%カロリーを抑えられると言われています。次に、カリカリ・ザクザクとした食感が長持ちします。時間が経っても衣がべたつきにくく、お弁当のおかずに最適です。また、米粉は風味がさっぱりしているので、素材の味を邪魔しません。揚げた野菜の甘みや、魚の旨味を引き立ててくれます。グルテンフリーなので、小麦アレルギーの方でも安心して食べられるのも大きな魅力です。
唐揚げを美味しく作るコツ
米粉で唐揚げを作る際のコツをご紹介します。まず、下味をつけた鶏肉の水分をしっかり拭き取ります。水分が多いと衣がはがれやすくなります。次に、米粉を薄くまんべんなくまぶします。厚くつけすぎると、粉っぽくなったり、揚げたときに剥がれたりします。片栗粉よりやや少なめの量で十分です。揚げ油は170〜180℃に熱し、鶏肉を入れたら3〜4分揚げます。最初は触らず、衣が固まるのを待ってから裏返すと、きれいに揚がります。二度揚げすると、よりカリカリになります。一度揚げた後、3分ほど休ませてから、180〜190℃の高温で1〜2分さっと揚げ直します。波里の「米粉 お料理自慢の素」は、唐揚げ用に配合されており使いやすいです。
材料(2人分)
・鶏もも肉 300g
・米粉 大さじ3〜4
・醤油 大さじ1.5
・酒 大さじ1
・おろし生姜 小さじ1
・おろしにんにく 小さじ1/2
・揚げ油 適量
天ぷらを軽く仕上げるコツ
米粉で天ぷらを作る場合、衣を軽く仕上げるコツがあります。まず、衣の水分に炭酸水を使うと、サクサクに仕上がります。炭酸の気泡が衣に空気を含ませ、軽い食感を生み出します。配合は、米粉100gに対して炭酸水100〜120mlが目安です。次に、衣は混ぜすぎないことが大切です。粉と水をざっくり混ぜ、ダマが少し残る程度でOKです。混ぜすぎると粘りが出て、重い衣になってしまいます。また、衣は冷たい状態で使うと、よりサクサクに仕上がります。ボウルの下に氷水を敷いて、衣を冷やしながら作業するとよいでしょう。揚げ油は180℃が目安で、一度にたくさん入れすぎないよう注意してください。
フライのパン粉代わりに使う方法
とんかつやコロッケなどのフライを作る際、パン粉の代わりに米粉を使う方法もあります。通常のフライ衣は「小麦粉→溶き卵→パン粉」の順につけますが、グルテンフリーにする場合は「米粉→溶き卵→米粉」または「米粉→溶き卵→砕いたライスパフ」にする方法があります。米粉だけで作ると、カリッとした薄い衣になり、通常のフライとは異なる食感になります。パン粉のようなサクサク感が欲しい場合は、市販のグルテンフリーパン粉を使うか、米粉パンを細かくちぎって乾燥させた「米粉パン粉」を作る方法もあります。また、砕いた玄米フレーク(シリアル)をパン粉代わりに使うと、香ばしく軽い食感のフライになります。
揚げ焼きでヘルシーに
揚げ物の油が気になる方は、米粉を使った「揚げ焼き」がおすすめです。フライパンに少量の油(底から5mm程度)を入れて加熱し、米粉をまぶした材料を入れて両面をこんがり焼きます。片栗粉より油の吸収が少ない米粉は、揚げ焼きでも十分カリッと仕上がります。チキンカツ風なら、米粉をまぶした鶏むね肉をフライパンで揚げ焼きにし、最後にソースやケチャップをかければ完成です。エビフライ風も、米粉と溶き卵をつけた海老を揚げ焼きにすれば、低カロリーで楽しめます。焼いている途中で油が足りなくなったら、少量ずつ追加してください。ひっくり返すタイミングは、底面がこんがりきつね色になってからが目安です。
米粉と片栗粉の使い分けガイド
見た目重視の料理は片栗粉
料理の見た目(透明感やつや)を重視する場合は、片栗粉を使う方がよい場面があります。特に、透明でつやのあるあんをかける料理には片栗粉が適しています。例えば、中華料理の八宝菜や麻婆豆腐、甘酢あんかけなどは、つやのある透明なあんが見た目の美しさを引き立てます。和食の「銀あん」(薄口醤油を使った透明なあん)も、片栗粉でないと再現が難しいです。また、わらび餅やくず餅風のデザート、葛湯のような透明感のある料理も片栗粉向きです。来客向けの料理や、見た目が重要なおもてなし料理では、片栗粉を使った方が仕上がりがきれいになることが多いです。
冷めても美味しい料理は米粉
冷めても美味しく食べたい料理には、米粉の方が向いています。米粉のとろみは片栗粉より離水しにくく、時間が経っても水っぽくなりにくいという特徴があります。そのため、作り置きのあんかけ料理や、お弁当に入れる料理には米粉がおすすめです。例えば、お弁当の甘酢肉団子や、あんかけ焼きそばを作り置きする場合は、米粉でとろみをつけると、時間が経ってもあんがシャバシャバになりにくいです。揚げ物の衣も同様で、米粉の衣は冷めてもカリカリ感が持続します。運動会や行楽のお弁当に入れる唐揚げは、米粉で作ると時間が経ってもべたつきにくく、美味しく食べられます。
| 料理・用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 中華あんかけ(できたて) | 片栗粉 | 透明でつやのある仕上がり |
| あんかけの作り置き | 米粉 | 離水しにくい |
| 唐揚げ(お弁当用) | 米粉 | 冷めてもカリカリ |
| わらび餅風デザート | 片栗粉 | 透明感・つるっとした食感 |
| カロリーを抑えたい揚げ物 | 米粉 | 油の吸収が少ない |
アレルギー対応が必要な場合
アレルギー対応が必要な場合の使い分けを確認しておきましょう。小麦アレルギーの方は、米粉も片栗粉もどちらも使用可能です。どちらもグルテンフリーなので、安心して代替食材として使えます。じゃがいもアレルギーの方は、片栗粉(じゃがいもでんぷん)は使えないので、米粉を選びましょう。米アレルギーの方(稀ですが存在します)は、米粉は使えないので片栗粉を選ぶことになります。複数のアレルギーがある場合は、原材料をしっかり確認することが大切です。また、市販品の中には製造ラインで小麦を扱っているものもあるので、厳密なアレルギー対応が必要な場合は、製造情報も確認してください。
コスト面での比較
米粉と片栗粉のコスト面を比較してみましょう。一般的に、片栗粉の方が安価です。スーパーでの相場は、片栗粉が100gあたり約30〜50円、米粉が100gあたり約80〜150円程度です。同じ量を使う場合、米粉は片栗粉の2〜3倍のコストがかかることになります。また、とろみ付けの場合は米粉の方が多めに必要なので、コスト差はさらに広がります。ただし、健康面やアレルギー対応のメリットを考えると、多少のコスト増は許容できるという方も多いでしょう。コストを抑えたい場合は、業務スーパーや製菓材料店で大容量パックを購入する方法があります。また、道の駅や農産物直売所で地元産の米粉を見つけると、スーパーより安いこともあります。
両方を混ぜて使う方法
米粉と片栗粉の良いところを両方活かす方法として、ブレンドして使う手があります。例えば、とろみ付けに米粉と片栗粉を1:1で混ぜて使うと、米粉の離水しにくさと、片栗粉の透明感の両方を活かすことができます。揚げ物の衣も同様で、米粉と片栗粉を混ぜると、米粉のカリカリ感と片栗粉のサクサク感の中間的な食感が楽しめます。配合の割合は好みに応じて調整してください。米粉多めにするとカリカリ感が増し、片栗粉多めにすると軽いサクサク感が増します。グルテンフリーのお菓子作りでも、米粉と片栗粉をブレンドしたレシピが多く見られます。いろいろな配合を試して、自分好みの組み合わせを見つけてみてください。
米粉で片栗粉を代用する際のQ&A
Q. 米粉でとろみがつかないのですが?
米粉でとろみがつかない原因として、いくつかのことが考えられます。最も多い原因は、加熱不足です。米粉は片栗粉より糊化温度が高いため、しっかり加熱しないととろみがつきません。水溶き米粉を加えたら、沸騰させて1〜2分しっかり煮立てることが大切です。次に考えられるのは、米粉の量が少なすぎることです。片栗粉と同じ量では、とろみが足りないことがあります。片栗粉の約1.5倍の米粉を使ってみてください。また、水溶き米粉が十分に混ざっていない可能性もあります。米粉は片栗粉より水に溶けにくいので、ダマが残っていないかしっかり確認してから使いましょう。最後に、料理の水分が多すぎると、相対的にとろみが弱くなります。煮汁を少し煮詰めてから米粉を加えると、とろみがつきやすくなります。
Q. 米粉の衣がはがれてしまいます
揚げ物で米粉の衣がはがれる原因と対策をご紹介します。最も多い原因は、材料の水分です。肉や魚の表面に水分が残っていると、衣がつきにくく、揚げたときにはがれやすくなります。キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ってから、米粉をまぶしてください。次に、衣が厚すぎる場合もはがれやすくなります。米粉は薄くまんべんなくまぶすのがコツです。余分な粉は軽くはたいて落としましょう。また、揚げ油の温度が低すぎると、衣が油を吸ってはがれやすくなります。170〜180℃の適温で揚げてください。油に入れてすぐに触ると衣がはがれるので、衣が固まるまで(30秒〜1分程度)は触らないようにしましょう。
材料の水分をしっかり拭く、衣は薄めに、油は適温(170〜180℃)で、入れてすぐは触らない。この4つを守れば、米粉の衣もきれいに揚がります。
Q. 片栗粉と米粉、どちらがヘルシー?
片栗粉と米粉、どちらがヘルシーかは一概には言えませんが、用途によって異なります。カロリー面では、片栗粉が100gあたり338kcal、米粉が362kcalで、片栗粉の方がやや低カロリーです。ただし、使用量が少ないため、大きな差にはなりません。栄養面では、米粉にはたんぱく質やビタミン、ミネラルが含まれていますが、片栗粉はほぼ純粋なでんぷんです。栄養価を重視するなら米粉の方がよいでしょう。揚げ物に使う場合は、油の吸収が少ない米粉の方がヘルシーと言えます。同じ量の唐揚げでも、米粉の衣なら片栗粉の衣より約20〜30%カロリーカットできる可能性があります。結論として、「ヘルシー」の定義や料理の用途によって、最適な選択は変わります。
Q. 離乳食に使うならどちら?
離乳食に使う場合、米粉と片栗粉のどちらも使えますが、それぞれ特徴があります。米粉は離乳食初期(5〜6か月頃)から使える食材として推奨されています。お米は日本人が古くから食べてきた食材で、アレルゲン性が低いとされています。米粉を水で溶いておかゆ風にしたり、パンケーキに混ぜたりして使えます。片栗粉(じゃがいもでんぷん)も離乳食に使えますが、じゃがいもは離乳食中期(7〜8か月頃)から始めるのが一般的です。とろみ付けとして少量使う分には問題ありませんが、初めて使う際は少量から様子を見てください。どちらの場合も、初めて与える食材は少量から始め、アレルギー反応がないか確認することが大切です。
Q. グルテンフリーを徹底したい場合の注意点は?
グルテンフリーを徹底したい場合、米粉も片栗粉も基本的にはグルテンフリーですが、注意点があります。市販の米粉や片栗粉の中には、小麦を扱う製造ラインで作られているものがあります。パッケージに「同一ラインで小麦を製造」という表示がある場合、微量のグルテンが混入している可能性があります。セリアック病の方や重度の小麦アレルギーの方は、専用ラインで製造された製品や、グルテンフリー認証を取得した製品を選びましょう。日本米粉協会の「ノングルテン米粉認証」は、グルテン含有量1ppm以下という厳しい基準を設けています。熊本製粉の「グルテンフリー米粉」や、みたけ食品の「米粉パウダー」など、コンタミ対策を明記している製品がおすすめです。購入前にメーカーに問い合わせるのも有効な方法です。
まとめ
この記事では、片栗粉の代用として米粉を使う方法について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
- 米粉は片栗粉の代用として使える(用途による)
- 揚げ物の衣には最適!カリカリ感が持続、油の吸収も少ない
- とろみ付けは可能だが、透明感は出にくく、片栗粉より多めに必要
- わらび餅風のお菓子は、透明感が出ないため不向き
- 冷めても美味しい料理には米粉の方が向いている
- 米粉も片栗粉もグルテンフリー
- 両方をブレンドして使う方法もあり
米粉と片栗粉は、どちらも便利な粉ですが、特性が異なります。それぞれの長所を理解して、料理に合わせて使い分けることで、より美味しい仕上がりになります。
片栗粉がないときの緊急対応として米粉を使うのはもちろん、米粉ならではのメリット(カリカリ感の持続、油の吸収の少なさなど)を活かして、積極的に使い分けるのもおすすめです。
失敗しても大丈夫。
いろいろ試して、自分好みの使い方を見つけてください。
次は、米粉を使った揚げ物や、とろみ料理にぜひチャレンジしてみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。
※原材料や製造ラインの状況は商品ごとに異なり、変更される場合もあります。
※アレルギーの程度には個人差がありますので、必ずご自身で最新の成分表示を確認するか、主治医にご相談ください。

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